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【話の肖像画】元厚生労働事務次官・村木厚子(63)(7)公正で合理的な司法制度に

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4回目の保釈請求が認められ、大阪拘置所から出る=平成21年11月
4回目の保釈請求が認められ、大阪拘置所から出る=平成21年11月

 〈平成21年の裁判員裁判を機に、裁判所が保釈を広く認める傾向を強めている。一方で、保釈中の被告が逃走、再犯に及ぶケースが後を絶たない〉

 昔も今も逃げる人はいる。逃げる人が増えたから、「全員閉じ込めておけ」とするのは間違っている。例えば、神奈川県愛川町で6月、保釈中に実刑が確定した男が刑務所収容前に逃亡した事件では、検察側の態勢が非常に甘かった。必要なのは、なぜ逃げられたかを検証しなければいけないということです。

 〈日産自動車前会長、カルロス・ゴーン被告をめぐる事件でも、相次ぐ保釈請求の棄却や再逮捕を繰り返す手法に対し、「人質司法」との批判が集まった〉

 ゴーンさんの件では、代理人の弘中惇一郎弁護士は「GPS(衛星利用測位システム)をつけますよ」と言っていた。有罪か無罪か分かっていないのに、身体拘束をするのは、基本的人権の制約なので、よほどのことがないとやってはいけないはずなんです。例えば、裁判の準備ができない。これは私も不自由を実感し、妨害されていると率直に思いました。たくさんのマイナス要素と、罪証隠滅や逃亡の恐れをはかりにかけ、保釈の判断をしていかなければいけない。

 〈身体拘束については、委員を務めた法制審議会の特別部会でも議論になった〉

 なぜ冤罪(えんざい)が生まれるか。その一つが人質司法といわれるように、勾留が検察の武器や道具になること。逃亡の恐れはあるかもしれないけど、虚偽の自白を生み出す道具にもなっている。保釈すべき人は保釈し、逃げない仕掛けをもっと工夫のしようがないのか。出した後の対応を工夫すれば、身体拘束は減らせるはず。刑事司法の分野でまずいのは、データを見せるとか原因を分析するとかして、検証する習慣がないところです。

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