PR

ライフ ライフ

秋の叙勲 旭日双光章 元東京都教育委員・脚本家 内館牧子さん(71) 現場の声生かし都立高改革

「任期中に都立高校のレベルアップを図ることができたのはうれしかった」と振り返る内舘牧子さん=港区内の事務所
「任期中に都立高校のレベルアップを図ることができたのはうれしかった」と振り返る内舘牧子さん=港区内の事務所

 NHKや民放でいくつものドラマを手がける人気脚本家として、今と変わらぬ多忙な日々を送っていた平成14年から3期12年、東京都教育委員会委員を務めた。今回の受章については「公教育が元気になり、かつての輝きを取り戻してほしい一心でやったことが評価されたのではないか」と喜びを語る。

 なかでも、かつて現役浪人合わせて約200人の東大合格者を誇りながら、一時低迷した都立日比谷高校をはじめとする“名門校”の復権に携われたことが、「12年間で一番、うれしかったこと」と振り返る。

 低迷の一因に、昭和42年に導入された学校群制度を挙げ、「進学校と、のんびりした生徒が集まる学校が同じグループになったりもした。進学校は進学校としての個性を失い、結果として公教育全体の学力低下を招いた。極論すれば公教育全体がオール3に陥った」と指摘。

 「無個性」と化した都立高の改革に向け奔走した際、教育委員たちは忙しい合間を縫って現場の声を聞く機会を何度となく設けた。「私がテレビドラマのことを知らない人にとやかく言われて『あなたに何が分かるの』と思うように、教師だって『教育委員はどこまで分かっているのか』と感じるような気がしたから」

 現場の生の声を意識した活動もあってか、13年に導入された「進学指導重点校」制度により、日比谷高校の東大現役合格者は17年春、前年比約3倍増に。

 「大学受験の合格率が全てではないが、日比谷高校は明治時代の東京府第一中から続く伝統校。古くてもいいものは受け継がれるべきだし、個性として失ってはいけない」

 こう強調する背景には今、古い唱歌などを知らない子供たちが目立つ風潮への危機感がある。「情緒を養うにはとても重要な作品が多い。なくても生きられるけれど、古いからと切り捨てず、知っておいてほしい」。退任後の現在も、次世代の子供たちをはぐくむ教育熱が冷めることはなさそうだ。

(植木裕香子)

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ