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【本ナビ+1】受け継がれた子供たちへの思い シンガー・ソングライター 丸山圭子

シンガー・ソングライターの丸山圭子(萩原悠久人撮影)
シンガー・ソングライターの丸山圭子(萩原悠久人撮影)
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 ■『9月1日 母からのバトン』樹木希林、内田也哉子著(ポプラ社・1500円+税)

 「今日は、学校に行けない子どもたちが大勢、自殺してしまう日なの」

 昨年9月1日、樹木希林さんは病室でそうつぶやいたという。亡くなる2週間前のことだ。希林さん亡き後、娘の也哉子さんは希林さんの「学校に行けないということ」という原稿を読み、初めて希林さんが不登校、ひきこもり、いじめの問題に取り組んでいたことを知る。

 希林さんは幼い頃、人となじめず、不登校になった。也哉子さんもまた小学校時代、インターナショナルスクールから公立に転校し、半年間四面楚歌(そか)の孤独が続いた末、不登校の経験があった。

 きっかけは人それぞれだが、声をあげられなくなり、殻に閉じ籠もってひきこもる。さらに、いじめ、不登校に対する偏見の目が、そこらじゅうにある社会で、つまずいた子供たちには、針のむしろに座らされたような苦しみや辛(つら)さが待っているのだ。

 本書は、第一部「樹木希林が語ったこと」で「不登校新聞」の石井志昂(しこう)編集長による希林さんのインタビュー「難の多い人生は、ありがたい」などを収録。第二部「内田也哉子が考えたこと」では、也哉子さんが石井編集長、不登校経験者、セラピストたちと対話し、この問題への向き合い方を聞き出している。

 学校に行けなくなることをまわりがどう受け止めるか、どう接するかは、子供たちの人生に大きく関わる問題で、深く考えさせられる。

 「人はいつか死ぬんじゃなくて、いつでも死ぬ」「死なないで、ね……どうか、生きてください…」

 自らの死を前にした希林さんの言葉に、命の尊さを感じた也哉子さん。「9月1日」という日が、穏やかでかけがえのない日になることを願った希林さんからのバトンは也哉子さんにしっかりと受け継がれた。

 ■『ペンギンと暮らす』小川糸著(幻冬舎文庫・533円+税)

 ベストセラー小説『食堂かたつむり』などの作家、小川糸さんとは以前からの知り合い。繊細にして豊かな文章表現同様、一手間も二手間もかけた糸さんのお料理は絶品だ。日記風エッセーの本書でも、七草おこわ、筍ご飯、お新香、こごみの胡麻和(ごまあ)え…逸品が並ぶ。心が温まり、いとおしくなる日々の暮らしや料理が綴(つづ)られている。

【プロフィル】丸山圭子

 まるやま・けいこ 埼玉県出身。昭和51年、「どうぞこのまま」が大ヒット。最新アルバム「レトロモダン~誘い」を中心にライブ活動中。洗足学園音大客員教授。

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