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「2年前ルール」逸脱した文科省 地域・経済格差もネックに

【英語民間試験延期へ】会見を終え、一礼して退席する萩生田光一文科相=1日、東京・霞が関の文科省(古厩正樹撮影)
【英語民間試験延期へ】会見を終え、一礼して退席する萩生田光一文科相=1日、東京・霞が関の文科省(古厩正樹撮影)

 来年度からの大学入学共通テストで導入予定だった英語の民間検定試験をめぐり、萩生田光一文部科学相が実施の延期を発表した1日、高校現場には戸惑いが広がった。大学入試への民間試験活用が検討されるようになって、およそ6年、地域格差や経済格差の問題が明らかとなる中、試験開始まで残り5カ月となったタイミングでの方針転換。大学入試改革の目玉とされた施策への一連の対応に疑問も強まっている。

文科省方針と矛盾?

 民間試験の活用は、政府の教育再生実行会議が平成25年にまとめた入試改革の提言に盛り込まれたことから、文科省内で検討が始まった。29年には受験年度に2回まで受けられるなどのスキームが固まり、30年には英検など8種類の試験が認定された(うち1種類は取り下げ)。

 ところが、ここからさまざまな懸念が浮上する。ひとつは費用の問題。1回の受験料が最大2万5千円の試験もあり、受験生側の負担は大きい。もうひとつは会場の問題だ。民間が実施するため、多数の受験生が見込める大都市に集中し、地域で会場数に偏りが出ることが予想された。

 文科省はこれまで、低所得者世帯を対象に大学などの無償化を図る新法を今年5月に成立させるなど、格差を縮める政策に力を入れてきた。それと矛盾するかのような入試制度に、「このまま実施に踏み切っていいのかという思いが全くなかったわけではない」と、同省幹部は打ち明ける。

2年前ルール逸脱?

 最大の懸念は、民間試験の成績が各大学でどう扱われるかの詳細が、なかなか決まらないこと。民間試験の成績を合否判定などに利用するかどうかは各大学の判断に任されている。だが、文科省が8月時点でまとめたところ、私立大を中心に約3割が利用の有無を決めていなかった。

 大学入試には「2年前ルール」というのがある。試験方式に大きな変更がある場合、原則2年前までに公表するもので、文科省の要項にも明記されている。

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