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鮮やかな色彩に潜む毒 「齋藤芽生とフローラの神殿」

《徒花図鑑「間男蔓」》2008年 個人蔵 Photo (C)Ken Kato Courtesy of gallery Art Unlimited
《徒花図鑑「間男蔓」》2008年 個人蔵 Photo (C)Ken Kato Courtesy of gallery Art Unlimited

 花などをモチーフにした絵画で知られる画家の展覧会「齋藤芽生(めお)とフローラの神殿」が、東京・目黒の目黒区美術館で開かれている。

 彼女が描く花は鮮やかな色彩の中に毒が潜む。たとえば「間男蔓(まおとこづる)」。アクリル絵の具で描かれた女性の顔に植物がまとわりつく。開かれた口からは管のようなものが入り込む。作者は「主婦に寄生した植物が、貞淑さを奪って淫らさを注入している」と言う。肌の色や唇の形も生々しく、色彩も刺激的でエロチック。空から種子のようなものが落ちてくるのも意味深長で何かを象徴しているかのようだ。

 齋藤は昭和48年生まれ。東京郊外の団地で幼少期を過ごした。東京芸大大学院博士課程を修了し、現在は同大准教授として後進の指導にあたっている。「毒花図鑑」(平成5年)など、大学時代から花を題材にしていて、卒業制作も花を選んだ。それが発展したのが「徒花(あだばな)図鑑」(20年)シリーズ。「間男蔓」はその1点だ。「脂百合(やにゆり)」は、花の下に落ちた大量のたばこの養分を吸って、花が人工的で不健康そうな黄色に染まっている。画題も面白くアイロニーが効いている。すべて想像上の植物で、貪欲な生命力がみなぎる。人間がこの世から消えても生き残りそうだ。

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