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IBD治療薬、安全な服用量算定 滋賀医科大・河原講師 

 滋賀医科大の河原真大講師(44)らのグループが、炎症性腸疾患(IBD)や急性白血病の治療薬「チオプリン」の安全な服用量を見積もることに成功し、24日に英学術誌のオンライン版で研究成果を報告した。これまでは副作用が生じる量が分からず、服用にはリスクが伴っていた。骨髄移植後に再発した白血病にチオプリンが効果的な可能性も浮上し、河原氏は「より安全な投与や応用につなげられる」と話している。(花輪理徳)

 チオプリンは、血液中の白血球などを生み出す「造血幹細胞」に作用し、身体の免疫が過剰に働くのを防ぐ薬。非常に安価なことから、免疫が食物などに対して異常に働くことで腸に炎症が生じるクローン病などのIBDの国内患者約20万人のうち約3割が服用している。

 一方、日本人を含むアジア人の約4人に1人はチオプリンの作用にブレーキをかける役割の遺伝子に異常があり、薬が効きすぎることで副作用が生じ、50人に1人の割合で髪が抜け落ちたり、白血球がほとんどなくなったりするなどの重篤な症状が出るとされている。

 河原氏らは実験用のマウスの遺伝子を操作することにより、チオプリンに敏感な体質を持つマウスを産みだし、副作用を再現することに成功。実験ではチオプリンを服用した敏感体質のマウスの造血幹細胞が攻撃され、副作用として骨髄細胞が減少したことが確認された。チオプリンの副作用を動物実験で再現したのは世界で初めてという。

 実験をもとに、河原氏らは体重60キロの成人で1日あたり1ミリグラム以下の服用量なら、チオプリンに敏感な体質の人でも副作用が生じないことを突き止めた。河原氏は「敏感な体質の患者も安全な量が分かれば、副作用を避けて服用できるようになる」と期待を寄せる。

 さらに、チオプリンに敏感な体質を持った白血病のマウスが、チオプリンの副作用が生じない体質のマウスから骨髄移植を受けると白血病を再発した際に、移植前は使うのが難しかったチオプリンが、逆に高い治療効果があることも判明した。

 河原氏は「骨髄移植後に再発した白血病の治療は非常に難しいが、チオプリンの投与が有効な可能性がある。臨床研究で詳細を明らかにしたい」としている。

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