PR

ライフ ライフ

【夜間中学はいま】(15)90歳超の女子中学生 生きる姿勢変わった

 何もすることがない金さんは、家で一日中パジャマで過ごし、韓国ドラマを見ながら昼寝をしては、夜に眠れなくなった。働き者だった母の「怠惰」な姿に、親子喧嘩は絶えず、業を煮やした娘は、韓国帰国まで含めた3つの選択肢を突きつけた。金さんが仕方なく選んだのは、近くにある東生野夜間中学への入学だった。「この年で何の勉強をするんや、とすごい拒否でした。今では信じられませんが」と野田さんは苦笑する。

 だが、3月に見学に行くと、先生も生徒も温かく迎えてくれ、すぐに入学を決めた。車いす生活の金さんのために、学校は特注の机を用意する。「こんなにやさしくしてくれる人たちが、どこにいるのと感激しました。一生懸命勉強しようと思いました」

 毎日新たな発見がある学校は刺激に満ち、金さんの生活は一変した。授業についていけるように昼間は余分にもらったプリントで勉強し、当初は体調面を考えて3限までで切り上げていた授業も、「みんなに負けたくない」と最後の4限まで受けるようになった。心地よい疲労で夜は熟睡。通学の服を選ぶのも楽しく、「生活にメリハリができました」とほほ笑む。

 入学から半年。ひらがなやカタカナは習得し、簡単な漢字もわかる。テレビのテロップも読めるようになった。「ここに来られて本当によかった。いろんなことに挑戦したい」という言葉通り、運動会などの行事にも車いすで積極的に参加する。「生きる姿勢が変わりました」

 目標は卒業証書をもらうこと。終の棲家と決めた日本で「死ぬまで勉強しようと思います」。

 「夜間中学」に関する体験談やご意見、ご感想を募集します。

 住所、氏名、年齢、電話番号を明記していただき、郵送の場合は〒556-8661(住所不要)産経新聞大阪社会部「夜間中学取材班」、FAXは06・6633・9740、メールはyachu@sankei.co.jpまでお送り下さい。

次のニュース

関連トピックス

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ