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【高見国生の認知症と歩む】(25)若年で発症の夫との12年

 M子さんの夫は12年前、50歳の時にアルツハイマー病と診断されました。当時は184センチ、81キロと大きくてがっしりしたスポーツマンでした。徐々に物忘れが進んできましたが、職場に理解があり60歳の定年まではなんとか勤めることができました。

 58歳ころまでは、認知症の当事者として、メディアや講演会にも出て話していました。M子さんはいつも同伴して夫のできないところをカバーしていました。しかし、その夫は今では66キロとやせ、要介護5で、歩けるのですが着替え、入浴、排泄(はいせつ)など生活のすべての面で介助が必要になり、言葉での意思疎通も困難になってしまいました。M子さんはデイサービスとショートステイを使いながら、今もほぼ1人でお世話をしています。

 M子さんは言います。

 「初めはできないところをサポートする程度で、普通に接していました。しかし7年経ったころから次々にできないことが増えて、必死にそれに対応してきました。薬が多過ぎるのではないかと医師に伝えて減らしてもらったら、症状が改善されたこともありました。今は、毎日何が起こるかわからず、先の不安でいっぱいです。これからどうしたらいいのか。とにかくどんなになっても、夫が行けるデイサービスやショートステイを確保しておかなければならない、と思っています」

 M子さんが自分の経験から、他の介護家族に伝えたいことは、医師や専門職の言うことをうのみにすることはない。本人のことを一番知っているのは家族なのだから、疑問に思うことは遠慮せず尋ねて、家族としての希望もしっかり言いましょう、ということでした。

 次回は、M子さんが地域の人たちや公的支援制度について思っていることを紹介しましょう。=次回は11月8日に掲載

 「認知症の人と家族の会」電話相談 平日午前10時~午後3時、0120・294・456

【プロフィル】高見国生

たかみ・くにお 認知症の養母を介護し、昭和55年に「認知症の人と家族の会」を設立。平成29年まで代表を続け、現在は顧問。同会は全国に支部があり、会員数約1万1千人。

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