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【話の肖像画】映画監督・是枝裕和(57)(11)一旦エンジンを切って

小休止後、次回作の製作に取り組むという(宮崎瑞穂撮影)
小休止後、次回作の製作に取り組むという(宮崎瑞穂撮影)

 〈「そして父になる」(カンヌ国際映画祭・審査員賞受賞)、「海街diary」(日本アカデミー賞・最優秀作品賞受賞)、「海よりもまだ深く」、「三度目の殺人」、「万引き家族」(カンヌ国際映画祭・最高賞受賞)など次々と傑作を生み出している〉

 僕は基本的に常に、前の作品の反省から入るタイプなんですよね。僕にとって、作品はみなかわいい子供たちだから、いちばん思い入れがある作品とかあっても言わないなあ(笑)。

 〈映画監督の中には現場で怒鳴ったり、威圧したりして出演者から演技を引き出すタイプもいる〉

 僕は、撮影現場では怒らないですね。自分が怒られるのが嫌いだから。怒られたり、怒鳴られたり、殴られたりしながら何か物を作るとか、そうすることで普段出せないエネルギーとか集中力が生まれるというのは、軍隊的な幻想ですから一切信じていません。テレビの現場とか、映画の現場とか、いまだに体育会系のノリでやっていたりしますが、日本のいちばん悪いところだと思いますよ。

 〈「歩いても 歩いても」「海よりもまだ深く」「万引き家族」ほか数々の作品に、主人公の母親役などで出演した女優、樹木希林さんが昨年9月に死去してから1年以上が経過した〉

 本当に自分の母が亡くなったときよりも、妙な残り方を自分の中でしているものですから、それをどう消化したらよいのか。次作のキャスティングの構想の中に、彼女がいないという前提で映画を撮るということがどういうことなのか。それにこれから直面しなくてはいけませんね。

 〈最新作「真実」が10月11日公開された。これまでに映画化されていないプロットが10以上ある〉

 次回作の構想はあるんだけれど、今年は一旦エンジンを切って、次の準備をせずにいようと思っています。毎年撮っているのは僕以上に周りのスタッフが大変なので、一旦休憩して、ここで少しインターバルを取ろうということで、珍しく次の作品を決めずにいます。次回作を決めずに最新作の公開に入るというのは、恐らく15年ぶりぐらいです。「誰も知らない」(平成16年)の公開のときは、次の作品を決めていなかったと思います。

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