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【主張】即位の礼 国民と歩まれる「象徴」に 新時代を素直にお祝いしたい

 天皇陛下が、即位を国内外に宣明される「即位の礼」の中心儀式である「即位礼正殿の儀」の日を迎えた。

 202年ぶりの譲位により、陛下は第126代の天皇の位に即(つ)かれ、「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」であるという、極めて重い立場から、お務めを果たされることになった。

 心からのお祝いと感謝を、改めて申し上げたい。

 天皇陛下は5月の「即位後朝見の儀」のお言葉で、国民と苦楽を共にされる覚悟を示された。陛下の国民に寄り添うご決意を支え、より良い「令和日本」を築いていきたい。

 ≪伝統と文化示す機会だ≫

 即位の礼は、長い歴史を持つ日本と皇室の伝統や文化を反映したものとなっている。

 天皇陛下はまず皇居の宮中三殿で、皇祖である天照大御神や、皇室の歴代の祖先、神々に即位の礼を執り行うことを奉告(ほうこく)される。

 即位礼正殿の儀は、皇居の宮殿で行われる。天皇陛下が玉座(ぎょくざ)である「高御座(たかみくら)」に昇られた後、皇位を表す神器である剣と璽(じ)(勾玉(まがたま))などが案(机)の上に置かれる。次いで皇后陛下が「御帳台(みちょうだい)」に昇られる。

 天皇陛下が、即位のお言葉を述べられ、安倍晋三首相が「寿詞(よごと)」という祝辞を述べる。首相が万歳を三唱し、参列者が唱和する。

 総勢約2千人の参列となる。国内からは成年皇族や首相ら「三権の長」、各界の代表ら約1600人、海外からは英国のチャールズ皇太子ほか各国王族をはじめ、180を超える国や機関の元首、閣僚ら約400人が出席する。

 台風15、19号が国民に多大な被害をもたらしたことに鑑(かんが)み、両陛下がオープンカーに乗られるパレード「祝賀御列(おんれつ)の儀」は11月10日へ延期となった。遠路足を運んでくれた海外からの賓客を招く22日夜の「饗宴(きょうえん)の儀」は開催される。それぞれ妥当な判断といえる。

 平成の御代(みよ)替わりをおおむね踏襲した今回の即位の礼に対して、一部から、現憲法に反するとの指摘が出ている。もっと素直にお祝いできないものか。

 即位礼正殿の儀で、三種の神器のうち剣と璽が置かれることなどは憲法の政教分離原則に反し、高御座の陛下に首相らが万歳を唱えるのは憲法の国民主権に触れるのだという。いずれも誤った憲法解釈に基づく謬見(びゅうけん)である。

 天皇にとって、祈り、宮中の祭祀(さいし)は本質的、伝統的役割である。歴代天皇は「国安かれ、民安かれ」と祈ってこられた。儀式から神道の色彩を消せば、天皇が天皇でなくなってしまう。

 ≪国柄に沿う憲法解釈を≫

 政教分離の原則は、宗教戦争に明け暮れた欧州の悲惨な歴史を踏まえ、政治権力と宗教の分離を求めるものだ。権威を帯びても権力を振るわず、宗教団体を持たれない天皇の祭祀、儀式に杓子(しゃくし)定規に当てはめては、天皇を戴(いただ)く憲法の精神に反する。

 日本の国柄の特徴は、代々の天皇と国民が共に歩み、長い歴史を紡いできた点にある。

 これを反映して憲法第1章は天皇の章となっている。天皇は、「象徴」という極めて重い位置付けの立憲君主といえる。

 「万歳」によって君主の即位をお祝いし、長寿を祈るのは北東アジアにおける常識的な儀礼であり、国民主権と矛盾すると考えるのは憲法を曲解している。

 これからも11月の大嘗祭(だいじょうさい)、来年4月の秋篠宮殿下の「立皇嗣の礼」など重要行事が続く。つつがなく挙行できるよう準備してもらいたい。

 令和の日本と皇室には大きな課題が残っている。それは皇位の安定的な継承策を講ずることだ。初代の神武天皇から第126代の今上陛下まで一度の例外もなく貫かれてきた男系継承の大原則に沿う必要がある。

 この大原則に基づく現在の皇位継承順位を政治が変更することはあってはならない。「女系天皇」への道を選ぶことは今の皇統の断絶、王朝の変更に等しく、大混乱を招いてしまう。自民党有志の議連「日本の尊厳と国益を護(まも)る会」が、旧宮家男子の皇族復帰案をまとめたことは評価できる。

 政府はこれから安定的な皇位継承策の検討を本格化させるが、皇位継承の歴史、原則がどのようなものだったかを国民に対し、丁寧に説明してもらいたい。

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