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画風を変えた土地、人、病気 上野の「ゴッホ展」監修、ハーグ美術館館長

ゴッホの魅力について語るベンノ・テンペル館長=オランダのハーグ美術館
ゴッホの魅力について語るベンノ・テンペル館長=オランダのハーグ美術館

 わずか10年の間に、油絵だけで約850点という驚異的な数の作品を残したフィンセント・ファン・ゴッホ(1853~90年)。生き急ぐかのような画家人生の中には、画風に大きな変化をもたらすいくつもの出会いがあった。転々と移り住んだ先の土地の気候。そこで暮らす人々や画家たち。そして、自身の病。東京・上野の森美術館で開催中の「ゴッホ展」(産経新聞社など主催)を監修するオランダ・ハーグ美術館のベンノ・テンペル館長は「ゴッホが何に影響を受け、どのように画風を確立させたのかを知ってほしい」と語る。(藤井沙織)

 ゴッホは27歳で画家になることを決意すると、ハーグで親類の画家、アントン・マウフェに絵の手ほどきを受け、他の画家たちとも交流を重ねた。当時のハーグは芸術の中心地であり、そこで活動していた画家は「ハーグ派」と呼ばれた。この出会いが、初期の作品の方向性を定める重要なものとなった。

 ハーグ派が題材としたのは、農民や漁民ら庶民の、リアルな暮らし。「灰色派」という別名も考案されたというほど、色彩より明暗が重視され、画面が暗いのが特徴だ。

 ハーグ派に倣い、ゴッホは厳しい人生を懸命に生きる人々を描く。以前は労働者に寄り添う牧師を志していたゴッホにとり、それは親和性の高いテーマだった。「非常に気難しく、自分にも他人にも厳しい。だが、困っている人、貧しい人には哀憐の情を抱く」。テンペル館長は、ゴッホの人物像をこう想像する。

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