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草間彌生美術館「集合の魂たち」 「集積」流れと発展の足跡

「無題(椅子)」1963年 椅子、詰め物入り縫製布、塗料 93 × 81× 92センチ Sigg Collection (C)YAYOI KUSAMA
「無題(椅子)」1963年 椅子、詰め物入り縫製布、塗料 93 × 81× 92センチ Sigg Collection (C)YAYOI KUSAMA
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 前衛芸術家、草間彌生の初期の作品に「文字の集積」(1961年)がある。画面にはローマ字で書かれた「YAYOI KUSAMA」の文字がびっしりと覆い尽くす。同じものを執拗(しつよう)に繰り返して集積させていくのは草間らしい。印刷物などを切り貼りしたもので、ところどころではげ落ち、長い年月の経過を漂わす。

 水玉模様の作品で知られる草間の制作の原点ともいえる初期の重要作品を展示しながら現在の創作につながる軌跡をたどる「集合の魂たち」展が、草間彌生美術館(東京都新宿区)で開かれている。

 長野県松本市の旧家に生まれた草間は、自由な活動を求め57年に渡米し、翌年からニューヨークを拠点に活動を開始した。59年、個展で網の目が反復しながら広がるモノクロームの絵画「無限の網」を発表し注目を集めた。61年から取り組んだのが画面上で同じ物を反復した「集積」「集合」と題したシリーズだった。

 「エアメール・ステッカー」(62年)は、手紙の航空便を示すエアメール・ステッカーでキャンバス全体をびっしりと覆った。「文字の集積」と同様、執着ぶりに草間の個性を見ることができる。

 「集合」「集積」のモチーフは立体にもおよび、柔らかな彫刻を意味するソフト・スカルプチュアへと展開された。日本初公開となった「無題(椅子)」(63年)は、布や靴下などに綿をつめた白く柔らかい突起物がうごめくように椅子に張り付いている。白いソフト・スカルプチュアはやがてカラフルな水玉模様にもなり発展していった。現在にも続く作品の原点のようなもので、30代前半の重要な仕事の一端をみせる。

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