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【話の肖像画】映画監督・是枝裕和(57)(6)大学さぼり「名画座」通い

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 〈現在、母校の早稲田大学教授も務め、映画に関する講義を担当している〉

 今の学生は、まじめに授業に出てくるから本当にびっくりするんだけれど、僕が通っていた頃は、大学の授業をさぼる学生は珍しくなかった。僕も入学してまもなく大学には行かなくなりました。2年生になって文芸学科に進んだときに、「あっ、ここにいても小説を書けるようにならない」って分かったから。それに大学があまりにつまらなかったので。

 大学の周辺の映画館が、基本的に僕の居場所になっていった。その頃、何となく「映像かな」という思いも芽生えてきて、脚本を読んだり、というのが10代の終わりから、20歳くらいの時期ですね。

 〈大学生だった昭和五、六十年代には、旧作映画を上映する「名画座」系の映画館も多くあった。その後、レンタルビデオなどの普及で、閉館した「名画座」も少なくない〉

 大学時代は年間300本ほどの映画を観ていましたけれど、全然少ないですよ。いま映画監督になっている同世代の人たちの中には、学生時代に年間500から600本ぐらいを観ている人もいます。

 よく行っていたのが、早稲田にあった「ACTミニ・シアター」。当時、1万円出すと1年間フリーパスで見放題だった。最初にはまった映画は、そこで観たフェデリコ・フェリーニ(イタリアの映画監督、脚本家)の作品です。「道」「カビリアの夜」の2本立てでしたが、一体これは何だろうと思いました。面白かった。当時は、イタリア映画が好きだった。フェリーニから入って、ロベルト・ロッセリーニ(イタリアの映画監督)の「無防備都市」と「戦火のかなた」もそこで観ました。

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