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中島敦、短くも波乱の生涯 生誕110年 横浜で特別展

中島敦
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■「山月記」秘話、サブカルへの影響

 詩人になりたかった男が発狂して虎となり、偶然再会した友に自身の詩を託す-。高校の教科書などでおなじみの「山月記」を世に出した作家、中島敦(1909~42年)の人生をたどる特別展「中島敦展 魅せられた旅人の短い生涯」が横浜市の神奈川近代文学館で開催中だ。「山月記」に込められた思いや没後のサブカルチャーへの影響など33歳で早世した作家の興味深い一面がうかがえる。

◆読み継がれる理由

 芥川賞作家の池澤夏樹さんが編集委員を務め、中島の人生を「旅」と捉える構成で展開。原稿や日記、家族へ宛てた手紙や写真など約400点を展示した。ゆかりの品々から感じるのは、波瀾(はらん)万丈の人生の中、妻や子へ向けた愛と、作品へかけた情熱。同館展示課の斎藤泰子さんは「幅広い世代に読み継がれ、愛され続ける中島作品の魅力を、生誕110年に合わせて改めて伝えたい」と話す。

 中島がパラオの南洋庁へ赴任する前、親交があった作家・深田久弥に託した原稿の中にあったのが代表作「山月記」だ。本展では、同作の元になった自筆ノートのメモや、深田に原稿を託す際に添付した中島の名刺も見ることができる。

 <何卒、おひまの折にでも、御一讀下さいますやう、お願ひ致します>

 名刺に書き入れられた文からは、何とか作品が日の目を見てほしいという切実な思いが伝わってくる。

◆逆流現象

 本展は中島の生前の面影だけでなく、没後に作品がどのように影響を及ぼしていったかにも着目した。斎藤さんは「中島の人生や作品は、演劇や映画、サブカルチャーの世界などへ発展している。本展は多様化する中島敦の文学世界の現状も紹介した」と説明する。

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