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【学ナビ】筑波会議2019 “若手版ダボス会議”、議論白熱

若手研究者が成功するためのポイントなどについて話し合った「ノーベル賞受賞者を囲むスペシャルプレナリー」 =3日、茨城県つくば市のつくば国際会議場
若手研究者が成功するためのポイントなどについて話し合った「ノーベル賞受賞者を囲むスペシャルプレナリー」 =3日、茨城県つくば市のつくば国際会議場

 ■世界の諸課題解決へ専門分野超え意見交換

 貧困や気候変動、海洋汚染…。若手研究者らが専門分野を超え、世界の諸課題と科学技術について考える「筑波会議2019」が10月2~4日まで、茨城県つくば市のつくば国際会議場で開催された。仮想空間と現実空間を融合させた人間中心の社会「ソサエティ5.0」と持続可能な開発目標「SDGs」をテーマに、市民科学の展望や国を超えた研究者の連携など幅広く話し合った。 (宮田奈津子)

 ◆ノーベル賞受賞者も参加

 筑波会議は“若手版ダボス会議”を目指し、筑波大学の永田恭介学長が委員長となり、経団連の中西宏明会長ら産官学の有識者で構成する筑波会議委員会が主催。世界約60カ国の研究者や起業家が集まり、50を超えるセッションが行われた。

 注目されたのは、京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥所長ら、日英のノーベル賞受賞者4人が一堂に会した『ノーベル賞受賞者を囲むスペシャルプレナリー』。「若手が研究者として成功するためには何が必要か?」をテーマに議論した。

 若手研究者からは、指導教員との関係性や成果が出なかった実験データの捉え方、研究や論文執筆に費やす時間捻出が難しい状況など、研究環境についての悩みがぶつけられた。山中氏は「若手のみなさんは、蓄積された膨大な先行研究やデータを活用することができる。実は幸運であることを忘れないように」と激励していた。

 物理学賞を受賞した江崎玲於奈・茨城県科学技術振興財団理事長は、研究で心がけてきた5つのポイントを紹介。「考えの対立を恐れないこと。子供時代の好奇心を忘れないことが重要」とメッセージを送った。

 ◆市民科学の進展議論

 会議最終日は一般公開され、G7(先進7カ国)若手科学者会合『SDGs時代の「科学」をアップデートするシチズンサイエンス』が開かれた。

 情報通信技術(ICT)によって、市民がデータ収集や解析に参加できる機会が増加。市民科学(シチズンサイエンス)は、市民と科学者を結ぶ手段として期待されているという。日本でも、東北大学などが、花粉を運ぶマルハナバチの分布を確認するため、市民参加型調査を実施している。

 カナダのセント・メアリーズ大学、カーリー・キーホーさんは「土地開発を例に挙げても、地域の方々に研究に参加してもらうことが理解につながる。科学者とは異なる知識も持っている」と一歩進んだ意識を披露した。

 ほかにも、東京芸術大学美術学部長の日比野克彦さんらが福祉と芸術について報告したほか、メディアアーティストの落合陽一さんらが、角川ドワンゴ学園の高校生と起業について考えるプログラムも行われ、熱気に包まれた。

 永田委員長は「あらゆる境界を越えて力を結集する重要性が発信できた。若い世代が、未来をつくってほしい」と話した。

                   ◇

 ■世界文化理事会授賞式も同時開催

 筑波会議最終日の4日、第36回世界文化理事会授賞式が行われた。同理事会は毎年、世界最高峰の研究を行う科学者を表彰するほか、隔年で教育と芸術分野の先駆者を選出している。

 アルベルト・アインシュタイン世界科学賞は、ナノ発電と自己供給型エネルギーシステム研究で知られる米ジョージア工科大学の王中林特別教授に授与。レオナルド・ダビンチ世界芸術賞はポルトガルの映画プロディーサー、パウロ・ブランコ氏に贈られた。

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