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【朝晴れエッセー】カフェ・10月12日

 よく利用していたカフェが閉店した。駅の近くのこのお店は、いつも混んでいて、「今日は空いている席がないね」と諦めることもしばしばだった。

 人が行き来する、外側を向いて座るカウンター席が、私と主人のお気に入りである。外を眺めながら、「あのおじいさんはオシャレだね」「あのご夫婦はハイキング帰りかな」など、主人との休日のティータイムを楽しんでいた。

 また娘ともよく行った。高校の帰りに駅で待ち合わせをする。紺色の制服に、教科書と部活の練習着の入った大きなリュックを背負った娘が、私を見つけ少々ほほ笑みながらやって来る。

 カフェで、部活の話や友達の話、受験の話など、色んな話をした。そして、大学生となった娘と初めて待ち合わせた日、あのいつもの制服ではなく、うっすらとお化粧をした娘が目に入り、ドキッとした。毎朝送り出していて、分かってはいたが、外で見る娘に、改めて成長を感じた。

 時には一人でコーヒーを飲みにも行った。隣の席に座った70歳代位の女性が、スマホを見ている。のぞいてはいけないと思いつつ、ちらっと見てみたら、ラインをしておられ、画面には友達がずらっとたくさん登録されている。私よりはるかに多い。なぜか私も負けてはいられないなあと思い、これからの人生、色んな事にチャレンジしなければと、刺激された。

 シャッターが閉まったお店の前を通るのは寂しいが、ありがとうと心の中でつぶやいている。

貝田 佐知子 55 大阪市大正区

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