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【話の肖像画】第31回世界文化賞受賞 歌舞伎俳優・坂東玉三郎(11)人生を感受できる舞台に

 〈観客に感嘆のため息をつかせる女形。そんな存在であるために大切にしていることは〉

 この年齢になりますと、これをしていれば女形である、という確実な方法はないんです。突き詰めると、与えられたものを精いっぱいやるということだけです。きれいな言い方になりますけど、本当にそうなんです。年齢との葛藤というのはどなたでも起こることだと思うのですが、大変答えにくいんですけれども、克服できないです(笑)。生涯現役とか、まだまだやります、といったことをうかがいますが、私にはありません。

 これからは、演出などのお仕事が増えていくと思います。でも、私は演出家としては認めていただけていないんです。玉三郎だからやっている、というふうにくくられている。非常に考えて作っているにもかかわらずです。けれども、演出なり、芝居なりというものは、どうやって作っているのか分からないのが一番いいのでないかとも思っています。その世界に入り込んで、出てきたときは夢のような時が過ぎていったという半透明な、もしかしたら明確に意図が見えないような演出が一番いいのではないかと思っているのです。

 〈日々、多忙な舞台や創造のなか、魂の安らげるときはいつなのだろうか〉

 旅をします。この間も、モロッコやトルコに行ってきたのですけれども、異なる文化や異なる国の方々と実際に触れ合うと、いろいろなことが分かります。人間を知るということをしていかないと戯曲を深く読むことができないと思うのです。

 今後は、人肌を感じさせる舞台を作ってみなさまに見ていただき、人生というものを感じてもらえる時間をつくることができればいいなと思っております。(聞き手 亀岡典子)

=次回は13日から、映画監督、是枝裕和さん。

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