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【話の肖像画】第31回世界文化賞受賞 歌舞伎俳優・坂東玉三郎(69)(7)三島由紀夫の心つかむ

 直接、そのような言葉を三島先生からうかがったことはありません。もちろん、書いてくださったのは読みました。ほかの方が見たらそう見えるのかな、と。「どんなにほめられても、慢心してはいけない」というのが父(十四代目守田勘弥)の教えでしたから。

 〈世界文化賞の歴代受賞者との共同作業も多い。現代バレエ界の異才といわれた振付家のモーリス・ベジャール(1927~2007年)、世界的なバレエダンサー、ミハイル・バリシニコフ(1948年~)とのコラボレーションを始め、ポーランドの映画監督、アンジェイ・ワイダ(1926~2016年)が監督や演出を務めた、ドストエフスキー原作の『ナスターシャ』では、舞台、映画ともに主演。19世紀のロシアを舞台に、無垢(むく)な青年、ムイシュキン公爵と野性的な男、ラゴージンが、ナスターシャという女性のとりこになり-という展開。玉三郎さんは、舞台、映画とも、ムイシュキンとナスターシャの男女二役を演じ分けた〉

 ワイダさんとのお仕事も大変印象深いものでした。まさか自分がドストエフスキーの世界に入っていくとは思ってもいませんでしたし、ムイシュキン公爵を演じるというのも想像がつきませんでした。けれども、ワイダ監督に解釈をつけていただいたので、作品世界に入ることができ、両方を演じることができたのだと思います。つまり、ムイシュキン公爵もナスターシャも、それぞれ青年、妖艶(ようえん)な女性というキャラクターは持っていますが、最終的にはドストエフスキーの精神構造を表現する一つの役柄なんですね。ワイダ監督のもとで、作品の解釈の仕方を経験できたことは、自分の役者業に大きな意味があったと思います。(聞き手 亀岡典子)

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