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【話の肖像画】第31回世界文化賞受賞 歌舞伎俳優・坂東玉三郎(69)(7)三島由紀夫の心つかむ

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 〈坂東玉三郎さんの女形の美しさは、国内外の一流の芸術家にインスピレーションを与えている。作家、三島由紀夫(1925~1970年)もそのひとり。三島は自作『椿説弓張月(ちんせつゆみはりづき)』で、19歳の玉三郎さんをヒロインの白縫姫(しらぬいひめ)に抜擢(ばってき)、昭和44年、東京の国立劇場で初演された。裏切り者の若者を、腰元らになぶり殺しにさせるのを、琴を弾きながらながめる玉三郎さんの白縫姫の冷たい美しさは戦慄が走るほどであった〉

 実は、三島先生とは当時、それほど交流というのはなかったのですよ。先生はお目にかかってから数年で亡くなられていますでしょう。ただ、「椿説弓張月」が終わってしばらくしてから、ごあいさつに伺いましたら、ご自分が書かれた戯曲「サド侯爵夫人」の装丁本をお出しになって、「君は将来これをやるから君が持っていなさい」と、その本をくださったのです。慌てて、うちで読んだのですけど、当時、まだ20歳でしたから、あまりにも文学的に深く入り組んだ作品でしたので、内容をしっかり理解していなかったと思います。舞台で初めて演じたのは、それから10年以上たった33歳のときでした。

 〈三島が若き日の玉三郎さんについて、『薄翅蜉蝣(うすばかげろう)のような』と評したのは、演劇界ではよく知られた話だ。ひらひらと舞うように飛ぶ、薄翅蜉蝣のように、いつ消えてしまうか分からないほど、はかなく、そしてしなやかな美しさを感じたのではないだろうか〉

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