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カイ・フランク展 「フィンランドの良心」が表すデザイン

技巧を凝らした色とりどりのガラス作品も
技巧を凝らした色とりどりのガラス作品も

 海に臨む神奈川県立近代美術館葉山(同県葉山町)で20世紀フィンランドの偉大なデザイナー、カイ・フランク(1911~89年)の展覧会が開かれている。包括的にその仕事を紹介する個展は日本初という。

 「作品」と呼ぶにはちょっと躊躇(ちゅうちょ)する、陶器やガラス器などが並ぶ。すっきりと機能的なデザインは、私たちが普段使っているものに近く、生活の中に溶け込んでいるからだ。同展では円や円錐(えんすい)、三角、四角などフランクの作品を幾何学的形態別に分けつつ、ゆるやかに時系列でたどる。

 工業化が進んだ20世紀、一般市民の実生活のためにいかに使いやすく、見た目にも優れた製品を安価に届けるかがデザイナーの大きな使命だった。特に「フィンランドの良心」と呼ばれたフランクは、農村で受け継がれる工芸品などを手本に、簡潔な機能美だけでなくぬくもりあるデザインを追求。アートディレクターを務めた同国の陶器メーカー、アラビア社の「キルタ」シリーズ、イッタラ社のガラス製品などは今も世界中で親しまれている。

 ロングセラーだけでなく、技巧を尽くしたアート・ピースのガラス作品も見どころだ。また生涯に数度来日するなど、親日家だったフランク自身が撮影した写真も初公開。民家の瓦屋根や塀、籠や漁具、絣(かすり)の着物、子供らの屈託のない笑顔…。デザイナーの興味がどこにあったのかを如実に伝えてくれる。

 「カイ・フランク」展は12月25日まで。月曜休(10月14日、11月4日は開館)。(黒沢綾子)

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