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【高見国生の認知症と歩む】(24)症状が急激に変化したとき

 7年前に認知症(アルツハイマー病)と診断されて、物忘れがあってもそれなりに過ごしていた夫(76)が、1カ月ほど前に突然、「お前は誰だ。なぜここにいる。出ていけ」と言いました。それが3日間続き、4日目からは、「あなたはどなたですか。どうしてここにおられるのですか? 知らない方にいてもらっては困ります」と、内容は同じですが丁寧な言い方に変わりました。

 妻のS子さんは夫の発病時から介護をしてきて、認知症の人の言うことを否定してはいけない、怒ってはいけないと心得ていますから、驚きましたがとっさに、「あなたの妹さんに頼まれてお世話をさせてもらっています」と言いました。本人はそれで納得したようでしばらく平穏な日が続きました。

 ところが数日後、夫が外出したまま戻ってこないのです。こんなことは初めてでした。夜になっても見つからず、心配で心配で、警察にも届け出ました。夫が外出して27時間後の翌日午後になって、道路を歩いているところを発見したと警察から連絡がありました。どこをどう歩いていたのか尋ねても覚えていませんでした。

 それ以降、S子さんは夫に、「ここはあなたのおうちですよ。私はあなたの妹さんの知り合いの者ですよ」と繰り返し説明しています。しかし、そう言いながらもこんな説明でいいのだろうかと迷ってもいるそうです。

 S子さんの夫の症状は、発症以来、比較的穏やかに進んできたようですが、最近になって大きく変化したように思われます。私が「ご主人に安心感を与えてあげるS子さんの対応は、とても素晴らしいですよ。これからもそうした介護を続けてください」と言うと、「ではこのままでいいのですね」と安心されたようでした。

 「認知症の人と家族の会」電話相談 平日午前10時~午後3時、0120・294・456

【プロフィル】高見国生

 たかみ・くにお 認知症の養母を介護し、昭和55年に「認知症の人と家族の会」を設立。平成29年まで代表を続け、現在は顧問。同会は全国に支部があり、会員数約1万1千人。

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