PR

ライフ ライフ

【ビブリオエッセー】勇者たちの腹ごしらえは? 「ダンジョン飯(めし)」九井諒子(KADOKAWA)

 「ドラゴンクエスト」などのゲームをプレイしていて、思ったことはないだろうか。

 「この人たち、おなか減らないんだろうか?」

 本書はその疑問に徹底的に答えてくれる、一風変わったファンタジー漫画である。 

 主人公一行はダンジョン(迷宮)探検を行っていたが深層でドラゴンに遭遇して全滅。主人公の妹の捨て身の術で辛くも脱出するが、妹はドラゴンの腹の中、ダンジョンに取り残されてしまった。

 金も食料も失った主人公一行。だが一刻も早く妹を助け出さねばならない。困窮極まったところに一人の料理人が現れ、考えついた案は「魔物を食べる」ことだった。ダンジョンの魔物を狩り、食料としながら進もうというのだ。

 何とも変わった設定であるが丁寧に調理された魔物たちは実においしそうだ。登場した料理はオムレツ、焼き肉、シチュー、水餃子、ハムなどいろいろ。死霊の冷たさを利用してシャーベットまで作ってしまう。

 ちなみに全ての料理にはリアルなレシピが付いている。魔物料理なので再現不可能であるが、一度食べてみたいと思わせる説得力がある。

 主人公たちは食べる。どんな時も食べる。落ち込んだ時も疲れた時も嬉しい時も。とりあえず食べる。食べることは生きること。当たり前だが漫画からそれを学ぶことになるとは思ってもいなかった。

 ふざけたお話と思いきや、緻密なストーリーと世界観が魅力の本作。ファンタジー好きな方は、ぜひ一度読んでみていただきたい。

 大阪府豊中市 小林恵子40 

【ビブリオ・エッセー募集要項】本に関するエッセーを募集しています。応募作品のなかから、産経新聞スタッフが選定し、月~土曜日の夕刊1面に掲載しています。どうか「あなたの一冊」を教えてください。

 投稿はペンネーム可。600字程度で住所、氏名、年齢と電話番号を明記し、〒556-8661産経新聞「ビブリオエッセー」事務局まで。メールはbiblio@sankei.co.jp。題材となる本は流通している書籍に限り、絵本、漫画も含みます。採用の方のみ連絡、原稿は返却しません。二重投稿はお断りします。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ