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【話の肖像画】第31回世界文化賞受賞 歌舞伎俳優・坂東玉三郎(69)(4) 大先輩方の教え受ける幸せ

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 〈舞台に登場すると、客席からどよめきが起こるほどの美しさ。女性よりも女性らしく、華やかに、あでやかに、気高く。坂東玉三郎さんの女形は、国境を越え、世界中の人々を魅了する〉

 どういう思いだったのかは知りませんけれども、父(十四代目守田勘弥(もりた・かんや))は、私が女形になるということを最初から決めていたように思います。女形になるにしても、立役(たちやく)(男性の役)のお勉強もしなくちゃいけませんので、若い頃は立役のお役もいただきました。でも最終的に女形でございました。

 代々、守田家は立役です。父も立役ですから、私が父の跡を継ぐというわけにはまいりません。ただ、祖父(十三代目守田勘弥)の姉で三代目の玉三郎さんという方がいらっしゃいまして、その方は女役者でした。そんなご縁もあって、私が女形の玉三郎ということも考えられる、ということになったようですね。

 〈三代目坂東玉三郎(1883~1905年)は、十二代目守田勘弥の娘。明治22年、三代目玉三郎を襲名。後に女歌舞伎の市川九女八(くめはち)の一座に加わった。37年、アメリカのセントルイス万国博覧会で日本舞踊を踊り評判を呼んだという〉

 三代目の玉三郎さんは、「京鹿子娘道成寺(きょうがのこむすめどうじょうじ)」などの舞踊が大変得意で、「壇浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき)」の阿古屋(あこや)も演じられた、という話も伝わっているそうです。いろいろ考えますと、不思議なご縁を感じます。

 父は立役で、女形のお役を教えることができませんので、女形の大先輩でいらっしゃった六代目中村歌右衛門(うたえもん)さん、七代目中村芝翫(しかん)さんにお教えいただくことが大変多うございました。父は、実際に大役を舞台で演じられた方に教わることが大事だと言っておりました。

 祖父や父の時代は、親から子に教えることが多かったのですが、あえて、自分の伝えられる役を、他人から教わる、ということもあったようです。そうすることで、親子で伝えてしまう幅の狭さを避けようとしたのでしょう。

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