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中国の不条理描く「神実主義」 作家・閻連科さん

「作品を書くのは読者との魂の交流のためです」と語る閻連科さん=2017年(飯田英男撮影)
「作品を書くのは読者との魂の交流のためです」と語る閻連科さん=2017年(飯田英男撮影)

 奇想と笑いを交えながら中国社会の不条理をえぐり出す。中国人作家、閻連科(えん・れんか)さん(61)の寓意(ぐうい)に満ちた作品は、軍を侮辱したなどとして発禁処分も受けてきた。国内では「最も論争の多い作家」ともいわれるが、世界的権威のあるフランツ・カフカ賞をアジアで村上春樹さんに次いで受賞。ノーベル文学賞の有力候補との呼び声もある。

 中国河南省の貧しい農村に生まれた閻連科さんは高校を中退し就労した後、20歳で人民解放軍へ。軍の創作学習班に参加し1980年代から小説を発表する。

 「農村を舞台にしたものが多いが知識人が出る作品もある。変わらないのはどれも中国の現実と密接な関係があるということです」と来日時に語っていた。

 等身大の軍人の欲望を描いた『夏日落』(92年)が最初の発禁処分に。身体障害者が多く住む僻村の興亡をつづる『愉楽』(2003年)など社会のゆがみを直視する作品が多い。2年前に邦訳された長編『硬きこと水のごとし』(谷川毅訳、河出書房新社)は、共産党内の路線対立に端を発し、中国を大混乱に陥れた文化大革命(文革)を背景にした物語。農民から末は高級幹部へ-。実権に近づくためには、お互いの夫婦の犠牲すらいとわない若い男女の性愛と暴力にまみれた革命闘争と転落の軌跡がコミカルなタッチで紡がれる。「革命というのは当時の彼らには宗教そのものだった。そこでは暴力すらも、信仰のステージをあがる階段として正当化された。集団の中にいる人は空気にのまれ、理性も失う。革命はある種の信仰だと思うのです」

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