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お金、愛、自己啓発…「実業界の父」渋沢栄一の“しみる言葉”

売れ行き好調な渋沢栄一の「論語と算盤」
売れ行き好調な渋沢栄一の「論語と算盤」

 日本資本主義の父として知られる渋沢栄一(1840~1931年)の著書「現代語訳 論語と算盤(そろばん)」(ちくま新書)が好調だ。本書は渋沢の講演や演説がまとめられた原本を、作家の守屋淳さんが平易な現代語に訳したもの。平成22年の刊行以来、累計25万部を突破し、スポーツ選手や経営者にも愛読されてきた。再来年のNHK大河ドラマ「青天を衝(つ)け」の主人公に決定、5年後には新一万円札の顔となるなど、渋沢の注目度の上昇も後押しし、発売当初を超える勢いで売れているという。

 近代以降の日本経済における渋沢の功績は計り知れない。みずほ銀行、JR、サッポロビール、王子製紙…今も日本を代表するような企業など、約480社もの設立に関わる一方、福祉や教育にも情熱を注いだ。タイトルにもある「論語」=道徳と「算盤」=経済は、ともすると正反対の概念と思われがちだが、渋沢は「『論語』とソロバンは、とてもかけ離れているように見えて、実はとても近いものでもある」と、それらをバランスよく両立することの重要性を説いた。

 また、本書には、渋沢が人生で得たさまざまな教訓や知恵もちりばめられており、これから社会人となる子供へプレゼントしたという声も増えているという。

 <およそどんなに些細な仕事でも、それは大きな仕事の小さな一部なのだ>

 <自分を愛する気持ちが強いなら、その分、社会もまた同じくらい愛していかなければならない>

 <お金の本質を本当に知っている人なら、よく集める一方で、よく使っていくべきなのだ>

 <どんな仕事にもかかわらず、商売には絶えざる自己開発が必要なのだ>

 渋沢の金言の数々は、1世紀以上も前の時代とは思えないほど、現代的な感覚と、才知に満ちている。

 渋沢が再評価されている理由について、守屋さんは「先の見えない現代だからこそ、日本経済を設計し、稼働させた渋沢栄一という“基本”が見直されているのでは」と分析する。

 筑摩書房営業部の尾竹伸さんは「渋沢はさまざまな苦労や立場を経験しており、いつ読んでも、その時々の自分の心境や状況を投影できる。渋沢の言葉の中から、今の自分にふさわしい指針が見つけられる」と本書の魅力を話している。

(文化部 加藤聖子)

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