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企業から広げる両立支援 がん対策、参加3000社超

従業員に体調を尋ねる根岸茂登美・藤沢タクシー社長 =神奈川県藤沢市
従業員に体調を尋ねる根岸茂登美・藤沢タクシー社長 =神奈川県藤沢市
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 国が平成21年にスタートさせた事業「がん対策推進企業アクション」の参加企業・団体が今年の夏、3千社を超えた。参加社は、がん検診を促して治療と就労を両立させるための資料や先進事例などの情報の提供が無料で受けられる。ただ、参加企業・団体には地域、業態による差が大きく、関係者は、さらなる参加を呼び掛けている。

◆今後も増加傾向

 企業アクション事務局によると、企業で働く人ががんにかかることはこれからも増えると推測されている。理由の一つは女性の社会進出だ。がんの新規発生を男女別にみると、50代前半までは女性が多い。この年代で働く女性が増えれば働く患者も増える。もう一つは勤労期間の延長。高齢者になるほどがんにかかる人は多い。

 事業の目的は、がん検診の啓発、がん教育、働き続けられる環境づくりの3つの柱からなる。

 事業のアドバイザリーボード議長である中川恵一東京大准教授(放射線科)によると、当初は名のある大企業を訪問して参加を求めても反応は弱かったという。「労働災害と違って、病気は自己責任という考え方がまだまだ主流だった」ためだ。

 だが、人手不足の労働環境や定年の延長による高齢勤労者の増加、健保組合への負担増、働き方改革が叫ばれたことなどにより徐々に理解が広がり参加も増えた。一方、参加企業・団体の多くは大企業と健康保険組合だ。中小企業の取り組みをどのように推進できるかが課題になっている。

◆私がやらないと

 神奈川県藤沢市の藤沢タクシーは従業員80人余り。社長の根岸茂登美さんは保健師資格を持つ。13年、40歳で父から会社を引き継いだ直後、従業員の健康状態を知って「メタボの人ばかりで、この先どうなるのかと思った」という。そのうちに従業員ががんを発症。「これは産業保健の問題だ。私がやらないと、と覚悟を決めた」と話す。

 解雇は考えなかった。手術や抗がん剤治療の間は休めばいい。「がんになっても、24時間患者でいるわけではない。働くことは生きること、生活の基盤ですから」。勤務時間に融通を利かせ、タクシーの稼働率を下げてでも対応。今では、がん治療中の人を積極的に採用するまでになった。

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