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認知症当事者が「店員」に 大阪市役所の一日カフェで接客

大阪市役所内の喫茶店で、緑のエプロン姿で接客する認知症の当事者=大阪市北区(南雲都撮影)
大阪市役所内の喫茶店で、緑のエプロン姿で接客する認知症の当事者=大阪市北区(南雲都撮影)

 大阪市役所内の喫茶店で、認知症の当事者が「店員」となって接客を体験する「ゆっくりカフェin英國屋」が9月上旬、1日限定で開かれた。認知症への理解を深めてもらうとともに、当事者自身にも生きがいを感じてもらうのが目的で、市と英國屋を運営する三和実業(同市中央区)が協力して実施。当日は認知症の男女10人が店員となり、サポートを受けながら生き生きと接客する場面がみられた。(小川原咲)

 市役所地下2階にある英國屋。普段はカレーやサンドイッチといった食事も提供しているが、今回のカフェではコーヒー、紅茶、オレンジジュースとメニューを飲み物に絞って、2時間限定で開催した。

 「いらっしゃいませ。こちらの席へどうぞ」「700円のおつりです」。認知症の当事者らは緑色のエプロン姿で、付き添いのスタッフのサポートを得ながら接客やレジでの会計に従事。提供するテーブルを間違えたり、グラスを割ったりすることもあったが、客からは「大丈夫ですよ」「気にしないで」と温かい言葉がかけられていた。

 当初は緊張していた当事者も、時間がたつうちに笑顔に。飲み物を運び、てきぱきと片付けや会計をこなす人もいた。

 当事者の米沢廣人さん(69)は過去に配膳(はいぜん)の仕事をしていた経験があるといい、「当時を思い出して楽しくできた」と笑顔。妻の慶子さん(61)も「認知症であっても体は元気で、できることはたくさんある。社会にアピールできるこうした場が増えれば」と話していた。

 カフェは市民や職員ら約150人が来店する盛況ぶりで、市高齢福祉課の担当者は「当事者には笑顔で働いてもらい、お客さんには彼らの活躍をみてもらえた」と手応えを語る。ただ、訪れた人からは「もう少し本人の自主性を重んじる支援をしてもよかったのでは」との意見もあったといい、今後はサポート体制も課題だとしている。

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