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【がん電話相談から】Q:食道胃接合部がん 副作用でボタンもかけられない

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 ■オプジーボに変更、定期検査で評価を

 Q 60代の男性です。昨年2月の健診では異常なしだったのが、同年7月の健診で肺がんの疑いを指摘されました。検査したところ、食道と胃の接合部にできる食道胃接合部がんの診断で、しかも肺と肝臓にも転移があり、ステージ4でした。手術はできないと言われ、化学療法(オキサリプラチン+TS-1)が開始されました。今年5月から化学療法はアブラキサンに切り替わりました。

 A 最近の検査結果はどうでしたか。

 Q コンピューター断層撮影(CT)検査では肺と肝臓の影が消えたと言われました。腫瘍マーカーのCEA値(正常値0・1~5・0)も今年5月に12あったのが8月には4・8までになりました。

 A サイラムザ併用は2次治療の標準治療ですが、併用しなかったのですか。

 Q はい、安全性を考えてアブラキサン単剤を選択しました。ただ、副作用で手足のしびれがひどく、洋服のボタンもかけられないことも。主治医からは免疫薬オプジーボを使う話が出ています。

 A 抗がん剤治療には「不応」と「不耐」があって、前者は薬剤が効かない、後者は副作用などに耐えられないという意味です。これに照らして副作用が厳しければ、早めにオプジーボに切り替えることもいいでしょう。

 Q 詳しく説明していただけますか。

 A 食道胃接合部にできる腺がんは胃がんに準じて治療を行いますので、オプジーボの治療が対象になります。もし効けば、変えずに続けた方がいいです。2カ月ごとにCTを撮って、治療効果を評価してもらいます。

 Q オプジーボが効かなくなったら、抗がん剤に戻るのですか。

 A そうですね。イリノテカンという薬剤があります。最近、ロンサーフという内服薬が承認され、胃がんでも使えるようになりました。これらの薬剤を使用している間にしびれの回復が見られれば、アブラキサン単剤、あるいはアブラキサン+サイラムザの併用も可能かもしれません。

 Q 放射線治療は使えないのでしょうか。

 A 一般的に遠隔転移がある症例では、病気は全身性と考えられます。また、CTなどの画像で見えなくても、今後、新たに出現してくる微小転移が潜んでいると考えられます。放射線は手術と同様、局所治療ですから、全身すべての病巣に行うことは現実的ではありませんし、微小転移に対しても行うことができません。これに対し、化学療法は微小転移も含め、全身のがんをコントロールする唯一の方法です。あなたのケースではこれをお勧めします。

 ≪ミニ解説革新的だが効果は限定的

 今回の相談で焦点の一つとなったオプジーボは本庶佑・京都大特別教授の研究から生まれ、昨年のノーベル賞受賞につながった。自分の免疫によって、がん細胞を攻撃できるようにする革新的な薬剤だ。

 「胃癌治療ガイドライン第5版」では、オプジーボは3次治療以降での使用が推奨されている。しかし、縮小が得られるのは1割程度、一時的に病気の進行が抑えられるのが4割程度とされる。若槻医師は「オプジーボは、胃がんにおける3次治療以降の標準治療ですが、現状では効果は限定的で、ときに重篤な免疫関連の有害事象が出ることもあります」と話している。(構成 大家俊夫)

 回答には、がん研有明病院消化器化学療法科の若槻尊医師が当たりました。カウンセラーによる「がん電話相談」(協力:がん研究会、アフラック、産経新聞社)は、03・5531・0110。月~木曜日(祝日は除く)午前11時~午後3時。相談が本欄に掲載されることがあります。

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