PR

ライフ ライフ

【大阪特派員】御下賜品が語る弘法大師信仰 山上直子

 「へえ~、明治天皇や昭憲皇太后(明治天皇皇后)の遺品ですか…」

 京都市の教王護国寺、通称・東寺。境内の東寺宝物館で、修復中の御影堂(みえどう)と弘法大師信仰をテーマにした展覧会が始まった。

 秋期特別公開「東寺御影堂と弘法大師信仰-祈りの美-」(11月25日まで)。

 檜皮(ひわだ)ぶき屋根のふき替えのため、天井裏に収められていた「御影堂棟札」(国宝)なども見どころなのだが、むしろ興味を引いたのは、明治天皇夫妻や大正天皇夫妻からのいわゆる「御下賜品(ごかしひん)」という優美な工芸品の数々だった。

 漆塗りの煙草盆(たばこぼん)や銀製の花瓶など、いかにも由緒がありそうな品々が並んでいる。なぜ東寺にそんなお宝が…、これはいったいどういうことか?

 「昭和9(1934)年に『弘法大師千百年遠忌(おんき)』が営まれたのですが、その際に皇族や、宮中で勤められた旧女官の方々から御影堂に寄進されたものなんです」と、東寺文化財保護課長の新見康子さんが教えてくれた。経緯はこうだ。

 東寺はそもそも平安京の鎮護として延暦13(794)年の遷都直後に創建された。弘法大師こと空海が嵯峨天皇から同寺をたまわったのは弘仁14(823)年。

 その後、鎌倉時代に仏師・運慶の子の康勝が「弘法大師坐像」(現在の御影堂の本尊)を造り同寺に安置され、弘法大師信仰が盛んになる。戦国時代になると、50年ごとにその遺徳をしのぶ法要「弘法大師遠忌」が行われるようになった。

 「遠忌法要が行われるようになったのは天文3(1534)年の七百年遠忌が始まりです。江戸から明治へと続き、昭和9年の千百年遠忌では、東寺の長者から東京や京都在住の旧女官らに“法具”となる御下賜品の寄進と法会への参列を願う願書が送られました」(新見さん)

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ