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【話の肖像画】国連軍縮担当上級代表(事務次長)・中満泉(56)(3)世の中を変えるために

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パトリシア・シュローダー元米下院議員(ゲッティ=共同)
パトリシア・シュローダー元米下院議員(ゲッティ=共同)

 〈ミシガン州の大学での初日の授業では日米貿易摩擦について答えられず「失敗」したが、次第に自分自身の意見を言えるようになり、教授にも認められるようになった〉

 最初の授業の教授は、ホルムズ教授といって筋金入りの共和党員。レーガン大統領の2期目の選挙キャンペーンにも連れて行ってくれたりしました。保守的で国連などの国際機関は重要ではないという意見を持った人だったので、「自分の考えとはちょっと違う」と教授相手に意見を述べるようにもなりました。米国では教授が一方的に教えるのではなく、生徒もどんどん疑問をぶつけて議論していく。日本からの女子学生だとおとなしく座っているイメージだったのに、全然違うと興味を持たれたのかもしれませんね。1年間の留学期間を終えると、教授が「夏休みに残ってワシントンの連邦議会でインターンをしてみないか」とすすめてくれました。さらに「君には共和党より民主党の方がよいだろう」と言ってわざわざ民主党の議員のオフィスを紹介してくれたんです。1985年です。当時は民主党と共和党がお互い尊重し合っていたんでしょうね。

 〈紹介されたのは女性下院議員、パトリシア・シュローダー氏。シュローダー氏は、初の女性大統領候補として取り沙汰されたほどの大物議員だ〉

 私には21歳で米国に来るまで女性のロールモデル(模範とする人)が誰もいなかったんです。シュローダー議員は雲の上の人でしたが、議員のオフィスを取り仕切っていたスタッフも女性で、その中にスーザンという30代の女性がいました。有能だし優しいし指導もしてくれる。当時、シュローダー議員は内部告発者を守るための議員立法の準備を進めていて、私の仕事内容は、米連邦政府でどのような内部告発と報復の事例があるのか、各国の事例はどうか、などを調査して分析することでした。非常に内容の濃いもので、「こんなこと私にやらせていいの?」と思いましたね。今思うと恥ずかしい内容しか出せなかったんですが、コピー取りやお茶くみじゃなくて、外国から来た留学生にここまでやらせてくれる米国の懐の深さを感じました。

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