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【熱血弁護士・堀内恭彦の一筆両断】条例でヘイトスピーチに「罰則」 加速する危険度

 9月11日、神奈川県川崎市議会において、市が成立を目指す「差別のない人権尊重のまちづくり条例(仮称)」案の審議が行われた。条例案は外国にルーツのある人への差別的言動(いわゆる「ヘイトスピーチ」)を繰り返し、勧告・命令に従わない場合、氏名を公表し、最高50万円の罰金を科すというものである。これは憲法が保障する「表現の自由」を脅かす極めて危険な条例案である。

 平成28年に成立した「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」(ヘイトスピーチ解消法)は理念法にとどまり、罰則などの行き過ぎた内容は盛り込まれなかった。しかし、懸念した通り、現在、地方自治体レベルでは川崎市のように罰則付きの条例を制定しようという動きが活発になっている。この一連のヘイトスピーチ規制は、外国人への差別的言動だけを禁じ、日本人への差別的言動は全く禁じていない。

 何よりも大きな問題は、「ヘイトスピーチ」の定義が極めて曖昧で不明確なことである。今回の川崎市の条例案は、ヘイトスピーチ解消法と同じく、「本邦外出身者に対する不当な差別的言動」とは、「専ら本邦の域外にある国もしくは地域の出身である者又はその子孫であって適法に居住するもの(本邦外出身者)に対する差別的意識を助長し又は誘発する目的で公然とその生命、身体、自由、名誉又は財産に危害を加える旨を告知するなど、本邦の域外にある国又は地域の出身であることを理由として、本邦外出身者を地域社会から排除することを煽動(せんどう)する不当な差別的言動である」と定義している。

 しかし、この定義を読んでも、一般国民は、何がヘイトスピーチであるかを明確に理解することは難しいであろう。

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