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【ソロモンの頭巾】サンマ意外史 江戸では無名、デビューは戦後 長辻象平

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 昨今の外国船による公海での大規模な先取りが始まる前にも大きな減少があったのだ。グラフを見ると15年から30年周期の豊漁・不漁のうねりがある。

 私たちがニュースで目にするグラフは、最近の20年ほどのものなので、周期性には気が付かない。近年の日本のサンマ漁獲量の減少は外国船による乱獲のせいばかりではないようだ。

 では漁獲量に影響を与える他の要因は何だろう。

 サンマはイワシやサバなどと同様、表層を泳ぐ浮き魚だ。浮き魚の資源量は大きく変動する。主役的な浮き魚が次々、その座を別の魚種に明け渡す「魚種交替」という現象も知られている。水温が上がると垂直方向の海水循環が弱まって深層の養分が表層に運ばれず、植物プランクトンが増えにくくなる。影響は動物プランクトン食のサンマにとっての餌不足へと続く。

 サンマの資源量の変動や魚種交替は、海の環境が生態系に影響を及ぼしながら急激に変化する「レジームシフト」という現象とも密接に関係するはずだ。

海域限定の特産

 そもそもサンマには謎が多い。北太平洋にしか生息しない海域限定の魚なのだ。日本海にも少しいるが、他の海にはいない。

 「沿岸性のダツやサヨリといったダツ目(もく)の魚が外洋に進出して成功したのがサンマではないか」と京大名誉教授の魚類学者、中坊徹次さんはみる。

 サンマの南北回遊は有名だが、生息域は東西方向に広がっている。「米国沿岸まで分布しています」と大島さん。米国はほとんどサンマを利用しないので、同国沖の分布や回遊の詳細は分かっていない。

 秋に日本列島の太平洋側を南下した群れは、冬に房総から四国沖で産卵する。この産卵域も東に張り出しているのだが、その東端は未確認。冬は海が荒れて調査が難しいのだ。

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