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【書評】『私は幽霊を見ない』藤野可織著

「私は幽霊を見ない」
「私は幽霊を見ない」

 京都在住の、〈私は幽霊を見ない〉という作家が、友人や担当の編集者、タクシーの運転手たちから不思議な経験の記憶を聞き出したり、心霊スポットとされる廃虚ホテルを訪れたりして集めた話の数々。ホラー映画を見て気づいたことを、興奮のあまり涙ぐみながら友人に語ったりする著者のピュアな性格が読み取れてほほえましく、幽霊の話なのに決してグロテスクな印象にならない。

 二宮金次郎の石像が深夜に小学校の校庭を走り回るという、幼いころに広まった怪談の記憶もたどっていて、ひとごとながら、どこか懐かしい。(KADOKAWA・1500円+税)

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