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写実超えた神秘性 岸田劉生展

「道路と土手と塀(切通之写生)」重要文化財 1915年11月5日 東京国立近代美術館
「道路と土手と塀(切通之写生)」重要文化財 1915年11月5日 東京国立近代美術館
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 近年は写実画が人気。抽象画などに比べ、理屈ぬきにわかりやすいというのがその理由に挙げられるだろう。いまから100年も前にリアルな絵画を制作していたのが画家の岸田劉生(りゅうせい)(1891~1929年)だった。それは事物の表面を写しただけの薄っぺらいものではなく、見る者を絵の中に引き込んでしまうような魅力を秘めている。それを実感させる展覧会が東京ステーションギャラリー(東京都千代田区丸の内)で開かれている。

 劉生の作品を多数所蔵する東京国立近代美術館から、会期の前期・後期合わせて27点が出品される。代表作として知られているのが「道路と土手と塀(切通之写生)」(重要文化財)だ。むき出しの土とそこから生え出す草。茶色い土と青い空の鮮やかなコントラストが印象的。現在の東京・代々木あたりの風景で、油絵の具もみずみずしく、古くささはない。

 劉生は肖像画や静物画などでも多くの優れた作品を残した。たとえば「林檎三個」。横一列に並ぶリンゴの表面はヘコミや傷などが細やかに描かれている。単純な構成だが、「娘の麗子さんが、この作品に対し一家3人の姿をリンゴに託したと聞いていたそうですが、象徴性もあり、単純な果物の写生ではなく、写実を突き詰めた先のリンゴなのです」と東京ステーションギャラリーの田中晴子学芸室長は指摘する。

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