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唐古・鍵遺跡の謎に迫る 解説書出版 奈良

出版された唐古・鍵遺跡の解説書
出版された唐古・鍵遺跡の解説書

 弥生時代の環濠集落跡として知られる奈良県田原本町の唐古・鍵遺跡で、約40年にわたり発掘調査に携わった同町埋蔵文化財センター長、藤田三郎さん(62)が遺跡の全体像や出土遺物、当時の暮らしについてまとめた著書「ヤマト王権誕生の礎となったムラ唐古・鍵遺跡」を新泉社から出版した。今なお謎の多い遺跡の実像に迫っている。

 全国最大級の唐古・鍵遺跡は約42万平方メートルの広さを誇り、昨年4月、中心部の約10万平方メートルが史跡公園としてオープンした。

 本は5章構成で、第2章ではケヤキ材で造られた大型建物跡2棟や楼(ろう)閣(かく)について解説。うち1棟は多量の米が納められた神殿のような施設だった可能性を指摘している。シンボルである楼閣については「いまだにこの意匠は他の遺跡では発見されておらず、極めて特殊な建物」と解説し、数世代にわたって建っていた可能性があるとみている。

 第3章では、遺跡から見つかった土器や木製品、石器、布・編み物製品について細かく説明。現在の静岡県や長野県、福岡県などから運ばれてきた土器もあることから、広域的な交流があったと推測している。

 第5章では、遺跡の終(しゅう)焉(えん)についても解説。2~3世紀に埋没した環濠の中に、完全な形をとどめた土器が数多く投棄された事実を取り上げ、廃村に向かう儀礼的な行為と推理した上で、「強制的にムラが解体され、約4キロ東にある纒(まき)向(むく)遺跡(桜井市)にスライドしたとみるべき」と大胆な仮説を展開している。本は93ページで、税込み1728円。

 藤田さんは同志社大2年の頃から橿原考古学研究所の調査に参加し、唐古・鍵遺跡を発掘。昭和57年に町役場に就職してからも調査に携わった。昨年に定年退職し、現在は町埋蔵文化財センター長や唐古・鍵考古学ミュージアムチーフプロデューサーを務めている。

 藤田さんは「多くの人に公園とミュージアムを訪れてもらい、唐古・鍵の高度な文化レベルを実感してほしい」としている。

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