不登校の子供達にオンライン教材活用 マイペースで学ぼう
リクルート公教育支援グループの森崎晃さんは「不登校の原因は勉強とは限らないが、学習の遅れが学校に戻る上でのボトルネックになっている」と指摘。「『わかった』『できた』という体験を積み重ねることで、子供の精神的な負担を軽減できるのではないか」と話している。
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■あくまでも本人の意思尊重を
不登校の子供の学習支援で大切なのはタイミングだ。NPO法人「全国不登校新聞社」(東京都文京区)の石井志昂(しこう)編集長は「まずは子供が心の傷を癒やし、ゆっくり休むのが先。無理に勉強させるのは厳禁」と話す。
学校に行かず、勉強しないことによって不安になってしまう子供は多いが、石井編集長は「子供が不安で押しつぶされそうなときに親が勉強を勧めると、追い詰められた状況になり、自傷など深刻な事態になりかねない。あくまで子供の意思を尊重してほしい」と訴える。子供が勉強を始めたら、無理をしていないか見守ることが必要だという。
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■「出席扱い」周知進まず
文部科学省は、不登校の小中学生が自宅でITなどを使って学習した場合、一定の要件を満たすと指導要録上の出席扱いにできることを平成17年に通知した。しかし29年度の調査で出席扱いになったのは小学校で36人、中学校で113人の計149人にとどまった。
こういった状況を受けて、文科省は昨年10月に改めて積極的な対応をするよう、自治体に依頼する文書を出した。
出席扱いにするかどうかは校長の判断になるが、同省の担当者は「制度が現場レベルでまだ知られていないようだ。家庭での学習履歴を把握する仕組みをどう作るかわからず、二の足を踏んでいるのではないか」と話している。