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滋賀・長浜市の「冨田人形共遊団」が地域文化賞

 サントリー文化財団(大阪市)が主催し、地域文化の発展に貢献した個人や団体を顕彰する「第41回サントリー地域文化賞」に、滋賀県長浜市富田町に江戸時代から伝わる人形浄瑠璃「冨田人形」を守り続ける「冨田(とんだ)人形共遊団」が選ばれた。海外からの留学生を受け入れるなどの独自の国際交流プログラムに取り組み、日本文化の理解促進や郷土芸能の継承活動を活性化している点が高く評価された。

 冨田人形は江戸時代に巡業に訪れた阿波(現在の徳島県)の人形座が大雪で興行できず、帰るための旅費と引き換えに人形一式を置いていき、住民がその人形を使って稽古を始めたのが起源とされる人形浄瑠璃。明治7年に県の興行許可を得て、冨田人形共遊団が発足し、昭和32年には県の無形民俗文化財に選ばれた。

 担い手のほとんどは専業農家で、近隣の村でも公演を行うなど地域内外で愛されてきたが、兼業農家の増加や高齢化で存続の危機に立たされ、30~40年代には活動が低迷。阿部秀彦団長(78)が54年に「伝統を続けなくてはならない」と地元有志に呼びかけ、富田以外の人も入れる形に変えて再出発を果たした。

 団員は現在、地元農家を中心とする40~70代の18人で、週1~2回稽古し、地元の長浜市などで年間約30回の公演を行っている。全国各地の人形浄瑠璃団体とも交流するなどし、「自分たちなりの冨田人形浄瑠璃の形を作ろうと頑張ってきた」(阿部団長)という。

 伝統的な人形浄瑠璃にとらわれず、オペラとのコラボレーションにも取り組んできた。オーケストラによる演奏のもと、セリフをオペラ調に書き換えて人形を動かすなど、独自の人形浄瑠璃の形に挑戦している。

 海外留学生を受け入れにも力を注いできた。平成13年に北米公演ツアーで出会った学生に来日を呼びかけたところ、39人の外国人学生が来日。翌年から外国人学生がホームステイしながら人形浄瑠璃を学ぶプログラムを実施している。

 これまでに14カ国から約300人が参加。6年からは海外公演も行い、ロシア、ドイツ、アメリカ、ニュージーランドで計10回以上の公演を成功させた。

 阿部団長は「ささやかな活動にスポットライトを当てていただいてうれしい。これからもいい公演を見せられるように稽古に励んでいきたい」と話している。

 同賞の贈呈式は9月27日に東京で行われ、盾と賞金300万円が贈られる。

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