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リボーンアート・フェスティバル2019 生命の力強さを多様に表現

森山泰地「孤独な水神」=石巻市桃浦
森山泰地「孤独な水神」=石巻市桃浦
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 東日本大震災で被災した宮城県の石巻市街地や牡鹿(おしか)半島を主な舞台に、芸術祭「リボーンアート・フェスティバル2019」が開かれている。一昨年に初開催され、2回目となる今年のテーマは「いのちのてざわり」。復興に向け変わりゆく景色の中でいま一度、生命や自然の力、土地の記憶を掘り起こす表現に、確かな感触があった。(黒沢綾子)

 被災地支援を続ける音楽プロデューサー、小林武史が前回に引き続き実行委員長を務め、県や地元自治体が共催。アート、音楽、食の総合祭とし、前回は会期51日間で延べ26万人を動員した。今回も70組以上のアーティストが作品を展開し、音楽やパフォーマンスなども繰り広げている。

 広い地域にまたがる芸術祭では、めぐるうちに鑑賞者の意識も散漫になりがちだが、今回は初の試みとして会場全域を7つのエリアに分け、それぞれキュレーターを配置。エリアごとの特色が出て面白い。

 牡鹿半島のほぼ中央にあたる小積(こづみ)エリアでは、鹿の解体処理施設「フェルメント」を中心に、6組の作家が生命と向き合う作品を展示。写真家の在本彌生(ありもと・やよい)は深刻化する獣害問題を背景に、仕留めた鹿を食肉として生かす食猟師、小野寺望の仕事に迫った。また獣道を歩き、集めた材料を元に創作する堀場由美子は、鹿やクジラの骨などを使った彫刻で、生命のつながりの神秘を詩的に表現した。

島袋道浩「白い道」=石巻市鮎川浜
島袋道浩「白い道」=石巻市鮎川浜
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 同半島の沿岸を車で走って気になるのはやはり、防潮堤の高さだ。カキ養殖が盛んな桃浦エリアでは、アーティストの森山泰地(たいち)が養殖のブイや漂流物などを集めて、防潮堤と同じ高さの舞台を制作。震災前、桃浦の海岸線には約30の祠(ほこら)があったが、津波で大半が失われたという。静かな海を背景に、舞台では水神に扮(ふん)した森山の姿が見えた。

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