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【本ナビ+1】シンガー・ソングライター・丸山圭子 相手をおもんぱかる会話術

 □『精神科医の話の聴き方10のセオリー』小山文彦著(創元社・1500円+税)

シンガー・ソングライターの丸山圭子=16日午後、東京都世田谷区(萩原悠久人撮影)
シンガー・ソングライターの丸山圭子=16日午後、東京都世田谷区(萩原悠久人撮影)
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 企業でメンタルヘルスケアなどを行う精神科医の小山文彦さんが、現場で培ってきた“話の聴き方”を伝授する。私たちの身近でも悩める人が増えている現代、「人の心をおもんぱかる」会話の大切さや、そのための細やかな視点など得られることは多い。

 「第1部 悩む心を受け止める10のセオリー」では、〈理解と示唆を急がない〉とある。人の悩みには、それぞれ重みがある。それでも、聴く側は、つい、すぐに理解し、何か答えたいと思いがち。ただ、「こうすればいい」との意見より、ゆっくりと耳を傾けられることで、ほっとすることもある。「傾聴」の効用がやさしく説かれる。

 〈ボーカルへの意識を高める〉は、会話の際の音声に着目するもの。音楽でいえば歌詞だけでなく、ボーカルの声質、旋律と言葉のテンポ、抑揚、速さ、リズム、休符(沈黙)のはさみ方などから、話し手が「何を語ったか」でなく、「いかに語ったか」に注意を払うという。

 実は、小山さんは作詞作曲も手掛けるミュージシャンでもあり、ボーカル音声に対する研ぎ澄まされた感受性や豊かな共感力は小山さんの繊細な音楽にも重なると思った。

『精神科医の話の聴き方10のセオリー』
『精神科医の話の聴き方10のセオリー』
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 このほか「暮らし・仕事・健康問題について」「医療・危機介入の場面」では、企業のメンタルヘルス、うつや発達障害、がん患者との対話のあり方なども示唆。「死にたいをどう聴くか」では、命の尊厳にはせる小山さんの思いに感動も。

 予期せぬ事態や孤独を抱えている多くの「ハムレット」は、話を聞いてくれる誰かを探し求めて雑踏の中をさまよっている。そんな人たちに、一人ではないこと、そのまま在って生きてほしいことを伝える術(すべ)がここにある。

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