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推進法成立から3年 岐路に立つ戦没者遺骨収集 

 終戦から74年、第二次大戦の戦没者遺骨収集事業が岐路に立たされている。事業を「国の責務」と明確に位置づけた推進法が施行されて3年がたったが、収容数は減少傾向だ。現状を打開する一手として身元特定を推進するため、厚生労働省の有識者会議は原則全ての遺骨を焼かずに持ち帰り、DNA型鑑定を行う新方策を打ち出した。

 海外や沖縄、硫黄島(東京都)で亡くなった戦没者は約240万人。遺骨収集は昭和27年度から始まり、今年6月末現在で約128万人分が収容されたが、大半は旧軍人が帰還する際などに持ち帰ったもので、政府が収容したのは約34万人分にとどまる。この間、国は何度も事業の幕引きを図ってきた。

 戦没者遺骨収集推進法が成立したのは平成28年。以降9年間を集中実施期間と定め、取り組み強化が打ち出された。しかし、戦後70年超という年月に阻まれ、成果は上がっていない。

 厚労省の有識者会議は今年7月、旧ソ連など一部を除いて現地で荼毘(だび)に付していた遺骨について、焼かずに持ち帰るとの中間とりまとめ案を公表。国内でDNA型鑑定を行い、身元特定の可能性を広げる新方策の提案だ。

 近年は遺骨から抽出したDNAや元素から出身地域まで特定できるような技術も確立している。新方策が採用されれば、持ち帰った遺骨の取り違えなどのミスの防止も期待できる。

 戦没者の遺骨収集に詳しい浜井和史帝京大准教授は「遺骨収集事業は国際的にも責任があるもので、国は科学的鑑定の導入に積極的であるべきだった」と指摘。導入の遅れには戦没者を特定し、遺族のもとへ帰すという過程が重要視されてこなかったことが背景にあるといい、「推進法施行後も事業全体のデザインを構築しようとする精神に著しく欠けている」と厚労省の姿勢を批判している。

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