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片山恭一さん「世界の中心でAIをさけぶ」 AI時代の人間の生き方探る

AI時代における人間の生き方を模索する作家、片山恭一さん(小平尚典さん撮影)
AI時代における人間の生き方を模索する作家、片山恭一さん(小平尚典さん撮影)
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 人工知能(AI)が高度に発達し、やがて人間知を超えるとき、人類はいったいどこへ向かうのか-。300万部超のベストセラー『世界の中心で、愛をさけぶ(セカチュー)』(平成13年、小学館)を生み出した作家、片山恭一さん(60)が新作『世界の中心でAIをさけぶ』(新潮新書)でAI時代に生きる人間の意味を問い、話題になっている。

 「笑いをとるようなタイトルは嫌だったが、人間にとって一番大切なものを中心に据えて書いたのはセカチューと同じ。結果としてよかった」

 セカチューが、高校時代の恋人の死を回想しながら死生観や人生観を深く掘り下げた純愛小説だったのに対し、新作は写真家の小平(こひら)尚典(なおのり)さんと出かけた米ワシントン州の旅行記だ。主要IT企業のアマゾンやマイクロソフトが生まれた街を歩いたり、大自然の中でキャンプをしたりしながら、変わりゆく人々の思考様式、労働と民主主義の価値、国家と企業の未来像など、旅の風景に触発されて浮かんだ考えをつづっている。

「世界の中心でAIをさけぶ」
「世界の中心でAIをさけぶ」
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 元になったのは、片山さんのブログ「セカチュー・ヴォイス」の連載「The Road To Singularity(シンギュラリティへの道)」。シンギュラリティとはAIが人間の知性・知能を超える「特異点」のことで、2045年に到達すると予測されている。

 片山さんは「AIが手ごわいのは、人間が気付かないうちに、世の中を変えてしまうこと」と指摘する。例えば医療の世界では、病気の診断の一部を医師でなくAIが行い、融資の査定でもAIが判断する時代が到来している。

 しかし、「人間の中にAIによって収奪されない部分がある」と片山さん。例えば、「好き」という感情がそれだ。AIがどんなに進化しても、誰かと出会い、恋に落ちることを解読するアルゴリズムは存在しえないという。そして「生物としての人間にはAIで置き換えることができない力が備わっている。未来は変えられる。人間の力をもっと信じようじゃないか」と訴える。

 セカチューは、10代、20代の若い読者がブームを支えた。新作も若年層を念頭に置いている。「この本は、最近の出版界で流行しているノウハウ本のようにてっとり早く何かが分かるわけではないが、自分の頭で考える刺激や材料になると思う。AI時代の未来をどう生きるか、一人一人に自分の頭で考えてもらいたい」。現在進行形のAI時代のど真ん中で、片山さんはこう強調する。(平沢裕子)

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