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彫刻の森美術館開館50周年 人間のあり方、形と色で探求 横尾さん、高階さんピカソを語る

 男女のLOVE(愛)とMONEY(金)の掛け合いとともに、左隅に小さなカエルが。「(江戸中期の画家)曾我蕭白(そが・しょうはく)が描いたカエルの引用。マネの『草上の昼食』にもカエルがいますよ」。これには高階さんも驚き、「ピカソ以上に(他の絵から)取り出していますね」と笑う。ちなみに横尾さんの絵画には、「泣く女」などピカソ作品の一部やピカソ自身の姿を取り込んだものも。

 ◆子供のように…

 「ピカソの核にはユーモアがある」と横尾さんは語る。ピカソ館でひときわ目を引く油彩画「猫のいる静物」(1962年)。妻ジャクリーヌがブイヤベースを作ろうと用意した食材を、猫が狙っているのだ。

 高階さんは「ピカソは死を含む生命表現-つまり人間のあり方を形と色で探した画家」だと総括する。

 ピカソの代表作といえばスペイン内戦下、無差別爆撃の悲劇を描いた「ゲルニカ」(1937年)が想起されるだろう。ただ彼は既に、10代半ばで描いたリアリズムの絵画「科学と慈愛」(1897年)において、人間の生死を透徹したまなざしで描写。「妹が死をもって自分を画家にしてくれた」という少年期の重い十字架を背負いつつ、いつか子供のように無心に描きたいと願っていたという。ピカソ館では晩年の巨匠の感慨を伝える、こんな言葉が紹介されている。

 〈私があの子供たちの年齢のときには、ラファエロと同じように素描できた。けれどもあの子供たちのように素描することを覚えるのに、私は一生かかった〉

 「ピカソは大人として生まれ、子供として死んでいったのではないか」と横尾さん。「(フォービスムの仏画家)ゴーギャンは『われわれはどこから来て、何者なのか、そしてどこへ行くのか』と自作で問うたけれど、ピカソが全部答えを出したような気がします」

【用語解説】ピカソ館

 彫刻の森美術館の敷地内に昭和59年に開館。ピカソによる陶芸作品を中心に絵画と版画、彫刻など319点を所蔵している。現在は「ピカソの挑戦~かたちの変貌~」と題し、計約120点でピカソの多様な表現を紹介中。

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