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特産のブランド価値高めて後継者不足解消へ 「仙台せり振興協議会」発足

仙台せりのブランド力の確立、若手後継者の呼び込みを目指して「仙台せり振興協議会」が発足した=9日、名取市(塔野岡剛撮影)
仙台せりのブランド力の確立、若手後継者の呼び込みを目指して「仙台せり振興協議会」が発足した=9日、名取市(塔野岡剛撮影)

 「仙台せり」のブランド価値を高めることを目的に、宮城県名取市のセリの生産農家が発起人となって「仙台せり振興協議会」が9日、同市内で設立された。協議会では知的財産として保護する地理的表示保護制度(GI)に登録することも視野に入れながら、若手の後継者育成を目指す。

 セリは作付面積、出荷量ともに宮城県が全国1位を誇る。県産のセリは仙台市に隣接する名取市で主に生産される「仙台せり」と、石巻市で生産される「河北せり」の2種類あり、「仙台せり」は鉄分が少ない一方で「河北せり」は鉄分が多いのが特徴だという。ただ、ここ数年は後継者不足もあって「仙台せり」の出荷量が減少している。

 名取市内でのセリ栽培の歴史は、江戸時代にまでさかのぼる。当時の農民が残した文献によると、元和年間(1620年ごろ)にはセリの栽培ていたとされる。仙台藩盟主の伊達政宗がこのセリを歌に詠み込んだ記録も残る。17世紀後半には名取のセリを改良し、石巻市での栽培も始まったとされる。

 県によると、県全体のセリの収穫量は平成20年度は612トンを誇ったが、28年度は396トン。「仙台せり」の収穫量も減少の一途をたどっており、29年度は282トンだった。名取市農林水産課によると、生産農家の後継者不足や、収穫時期の冬場に腰まで水に浸かっての作業の過酷さが原因と考えられるという。

 県内での収穫量が減少する一方、近年は「せり鍋」などセリを食材にした料理が人気で、同課担当者は「供給が需要に追いついていない状況。仙台市場にも他県産のセリが入ってきている」と話す。

 協議会は名取市内の生産農家らで構成。地域の特産品である「仙台せり」の名称を、GIに登録することを視野に入れている。GIに登録することで「仙台せり」のブランド価値を高め、若手の生産農家を増やす狙いがあり、来秋の出荷時期前の登録を目指すという。

 9日の協議会に参加した今野幹男さん(63)は、18代続くセリの生産農家。今野さんは「仙台せりはどこに出しても恥ずかしくない産品。過酷な作業が嘆かれるが、伝統を絶やさないようにしたい」とした上で「(GIは)新しい取り組みなので模索しながらではあるが、後継者を呼び込みたい」と意気込んだ。

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