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【忘れられた同胞・フィリピン残留2世(上)】無国籍状態 命あるうちルーツ知りたい

 昨年末、現地に発足した日系人会を通じて、NPO法人「フィリピン日系人リーガルサポートセンター(PNLSC)」に、諦めかけていた父の身元探しを依頼。今年4月、初めて職員と面会し、思いの丈を伝えた。

 80年ごろに見つかった自身の出生証明書には、父親の欄に「トメデロ・タワラ」と書かれ、出身地は「横浜」とあった。残された手がかりはこれだけだ。高齢でリウマチや糖尿病を患い、体調は悪化している。「日本人である父を誇りに思い、生きてきた。元気なうちに父の、自分のルーツを知りたい」と声を絞り出した。

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 戦前日本の国籍法や当時のフィリピンの憲法では、「子供の国籍は父親の国籍に準ずる」と定められていた。そのため、アントニオさんのような2世は日本人のはずだが、父親の身元が分からないため、戸籍を確認できず、日本からは国籍を認めてもらえない。

 仮に父親の身元が判明しても、子供が生まれた際にフィリピンから日本の本籍地の役所に書類が送付されていなければ、戸籍に子供が登録されていない可能性が高く、フィリピン、日本双方の国籍を持たない「無国籍状態」になっている。日本国籍を回復するには、新たに父の戸籍に登録する「就籍」の手続きが必要だ。

 ただ、2世の平均年齢は80歳超。記憶が薄れていたり、うまく意思を伝えられなかったりするケースも多い。アントニオさんと同様に父をゲリラに殺害されたというアンヘリータ・ヤマモトさん(75)も、そんな一人だ。

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