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【ビブリオエッセー】生きるという強い意志 「わたし いややねん」文・吉村敬子 絵・松下香住(偕成社)

 私は24歳で統合失調症を患いました。

 『わたし いややねん』という絵本があります。この本を初めて手にしたのは、27歳の頃でした。23歳で友達と会社を立ち上げたものの、事業が軌道に乗る前に資金繰りが厳しくなって借金をし、ストレス過多で身体、精神を壊してしまいました。つらい日々が続きました。その後、精神科に通いながら闘病生活を続けています。

 誰しもがいつ何時、病気になるかわからない中で、この絵本の作者、吉村敬子さんは1歳2カ月の頃に脳性小児まひと診断され、6歳まで機能訓練に通い、養護学校高等部在学中に、この絵本の醍醐味のひとつとなる絵の作者、松下香住さんと出会います。障害者として僕が生きた道のりの中で、この本に何度も助けられました。

 作者の吉村さんは車いす生活です。道行く人たちにじろじろ見られることに敏感で、差別の目で見られることが多かったのか、つらい経験をされたようです。

 吉村さん自身、肉体的に強くなれなくても、精神的な強さが、さまざまな状況の中でつらい思いをされている人たちに、勇気を与えてくれます。

 車いす生活での思いをつづったこの絵本の中で、「なんで私が周りと合わさないとあかんの?」「そやけどなんでわたしが強ならなあかんねんやろ」と何度となく問うてる文面に、当時の私は涙を流す以上に、生きるという強い意志をもらえました。

 障害を抱えていても、自分らしく生活できる社会になればいいなと思い、ペンを走らせました。

 大阪府和泉市 拜志(はいし)左武郎39

 【ビブリオ・エッセー募集要項】本に関するエッセーを募集しています。応募作品のなかから、産経新聞スタッフが選定し、月~土曜日の夕刊1面に掲載しています。どうか「あなたの一冊」を教えてください。

 投稿はペンネーム可。600字程度で住所、氏名、年齢と電話番号を明記し、〒556-8661産経新聞「ビブリオエッセー」事務局まで。メールはbiblio@sankei.co.jp。題材となる本は流通している書籍に限り、絵本、漫画も含みます。採用の方のみ連絡、原稿は返却しません。二重投稿はお断りします。

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