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【話の肖像画】バレエダンサー・熊川哲也(47)(7)「完璧という領域」目指し 

 自分がすべてを統率、監督している優越感と、結果が伴う感動というのがありました。個人の成功以上の成功とでも言うのでしょうか。作品が喜ばれ、自分が選んだダンサーが拍手喝采を浴びる、ということが新たな感動の源になったようです。自分の思い通りに舞台を作っていく醍醐味(だいごみ)も感じました。

 日本に戻ってから、随分と人間としても成長しましたね。組織を率いていかなければいけないので、成長せざるを得なかった。自分の感情よりも優先させなければいけないものがあることにも気づかされました。その完成形がカンパニーではないでしょうか。カンパニーをここまで成長させられたのも、自分自身が成長したからだと思います。

 〈今春、自著「完璧という領域」を刊行した。Kバレエ カンパニー設立直前に出版した「メイド・イン・ロンドン」以来の著作で、バレエ団の軌跡と重なる〉

 この20年間で、バレエダンサーよりも芸術監督や経営者としての役割のほうが増えてきました。カンパニー設立から現在に至るまでの軌跡を、そして僕のバレエ人生の集大成として書き記しました。

 人間が作り出すものに完璧というのはありえないかもしれません。でも僕はつねに「完璧という領域」を目指し、徹底的に細部までこだわって作品づくりをしています。バレエダンサーだけでなく、オーケストラやスタッフ、観客、舞台のすべてを最高の次元で調和させたいと思っています。本のタイトルには、そんな思いを込めました。(聞き手 水沼啓子)

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