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SLデゴイチ解体に波紋 東京・東村山でファンが「保存会」結成

老朽化で解体・撤去が決まったSL。保存会の石井知之会長は「貴重な遺産を守ってほしい」と訴えている=東村山市恩多町の運動公園
老朽化で解体・撤去が決まったSL。保存会の石井知之会長は「貴重な遺産を守ってほしい」と訴えている=東村山市恩多町の運動公園

 東京都東村山市恩多町の運動公園に展示されている蒸気機関車(SL)「D51684」が、老朽化により解体・撤去されることが決まった。市は近く業者と契約し、今月中に解体工事に着手する。ところが、市が急に決定したことに反発し、「貴重な遺産を守ってほしい」との声が高まり、保存会が結成された。会には全国のSLファンから励ましの声が寄せられている。

 市によると、SLは昭和17年3月に製造され、主に北海道で運行。「青少年に勇気を与え、心を励ましてくれるものになれば」と51年に当時の国鉄から市に無償貸与された。当初は運転席へ自由に出入りし、遊ぶこともできたという。

 しかし今年5月末、専門家による現地調査で、車両内に腐食による穴が見られたほか、アスベスト(石綿)が露出している所が散見された。線路の下の枕木も風化しており、震度6級以上の地震で車両が脱線し、横倒れの危険があるとの報告がまとめられた。

 市は報告を受け、解体費用として約2000万円を含む補正予算案を、7月2日の定例議会の最終日に計上。反対意見もあったが、1時間程度の質疑で、賛成多数で予算案は可決され、解体が決まった。修繕すると1億2000万円かかるとの試算も考慮された。

 車両はこれまで数回ペンキの塗り直しが行われただけで、40年以上風雨にさらされ放置されてきた。市は「良好な状態で管理・保存することができなかったことを深く反省し、おわびする」とした謝罪文をホームページに掲載。プレートなどの部品は今後、展示・保存を検討する。

 これに対し、市がSLを解体するとの動きが発覚した6月末、一部の市民や全国のSLファンらが保存会を立ち上げた。わずか1時間での市の決定過程や、高額の修繕費試算を疑問視。7月末からインターネットなどを使い、保存のための署名活動も行っている。

 関係者によると、SLは全国に400以上保存されている。都内には新橋駅前(港区)や青梅市、小金井市などにある。

 物心ついたときから鉄道ファンという保存会の石井知之会長(45)は「SLが好きな人は全国にたくさんいる。車両がボロボロになってしまったのは残念だ」とした上で、「(ネット上で不特定多数の人から事業資金を募る)クラウドファンディングで修繕費を集めたり、どこか移転を受け入れてくれる所を探したりするなど、残す方法はいくらでもある」と保存を訴えた。

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