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【話の肖像画】マラソンランナー・君原健二(78)(10)墓前で分け合うビールの味

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 〈東京オリンピックのマラソンで銅メダルに輝き、メキシコ五輪を前に自ら命を絶った円谷幸吉はいま、福島県須賀川市内の十念寺に眠っている。須賀川アリーナ内にある「円谷幸吉メモリアルホール」には「父上様、母上様、三日とろろ美味しうございました」で始まる遺書や銅メダル、シューズなどの遺品が陳列されている。一時は、円谷が遠征帰りの香港で買ったダイヤの指輪も婚約者の左手を飾ることなく、ここに並んでいたのだという。毎年秋には「円谷幸吉メモリアルマラソン」も開催されている〉

 「メモリアルマラソン」には、毎年、招かれて走っています。36回の大会で1度だけ行けなかったのですが、後は欠かさず参加してきました。長い距離はハーフマラソンもあるのですが、最近はもうハーフは無理かなと、昨年は10キロを走りました。今年は5キロにしておこうかと思っています。

 須賀川にはいつもレースの前日に入り、円谷さんのお墓にお参りします。缶ビールを1本買って持参し、半分をお墓にかけ、半分を私が飲むのです。円谷さんと私には、楽しかった記憶があります。あれは、東京オリンピックの2カ月ほど前でした。札幌のトラックで記録会があり、1万メートルで円谷さんが1位、私が2位となり、2人とも日本記録で走ったのです。それで競技場近くの売店でビールを買い、円谷さんとコーチ、練習パートナー2人と私の5人で縁台に座り、乾杯をしました。円谷さんは冗談もいう人で、なごやかな、楽しいひと時でした。いつもあのときのことを思いだしながら、お墓の前でビールを分け合うのです。

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