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【ビジネスパーソンの必読書】

 東京オリンピック開幕まで、ほぼ1年。日本をはじめ各国のトップ選手たちの活躍はもちろん、開会式も気になるところだ。華やかでありながらも、伝統の重みや深さを感じさせる演出を期待したい。

 ◆SF世界が現実に

『5Gビジネス』
『5Gビジネス』
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 □『5Gビジネス』亀井卓也著(日経文庫・860円+税)

 日本では2020年にスタート予定の「5G」が、社会やビジネスをどう変えるかを詳しく解説した書。5Gは、現在のスマホで採用されている4Gに代わる通信システムだ。正式には「第5世代移動通信システム」という。

 4Gから5Gへは、数字が1つ増えただけだが、単に通信が速くなるだけではない。「高速大容量通信」に「超信頼・低遅延通信」「多数同時接続」が加わる。これまでにない「非連続」な進化なのだ。

 5Gは、センサーが付けられた機器同士の、人間を介さない会話を可能にする。そのため、自動運転や遠隔医療、工場の自動化などが、よりスムーズかつ安全に実行できるようになる。これまで少しずつ進歩してきたテクノロジーを、5Gが一気に加速させる。

 都市部と地方のデジタル格差、個人情報の扱いなど解決すべき問題はいくつもある。だが、SFで描かれた未来社会がことごとく現実になる可能性を5Gが秘めているのは確かだ。

 ◆「無消費」の活用

『繁栄のパラドクス』
『繁栄のパラドクス』
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 □『繁栄のパラドクス』クレイトン・M・クリステンセン、エフォサ・オジョモ、カレン・ディロン著、依田光江訳(ハーパーコリンズ・ジャパン・2000円+税)

 『イノベーションのジレンマ』の著者、クリステンセン氏らによる最新作。アフリカなどの貧困国を「繁栄」に導く、「無消費」を活用したイノベーションを論じる。無消費とは、潜在的需要があるのに、それを満たす商品やサービスを「知らない」「買えない」という状態を指す言葉だ。

 例えば、貧困ゆえに携帯電話が「無消費」だったサハラ砂漠以南のアフリカに広範囲の携帯電話ネットワークを普及させた人物がいる。彼は、アフリカの人々に、携帯電話の便利さと必要性を説くとともに、ネットワーク設備だけでなく、会社を設立し現地住民を雇い職業教育を施すなど、事業に必要なあらゆるインフラの整備を行った。結果、それが市場の創造と、地域の繁栄を同時にもたらすことになる。

 「上からの援助」ではなく、無消費者に共感して「何が必要か」を考えることが肝要なのだろう。

 ◆「対話」のスポーツ

『エンジニアが明かすF1の世界』
『エンジニアが明かすF1の世界』
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 □『エンジニアが明かすF1の世界』小松礼雄著(東邦出版・1700円+税)

 一時日本で大ブームとなった「F1」。フォーミュラカーによる自動車レースの最高峰だ。本書では、日本人で初めてF1チームの「現場監督」であるチーフレースエンジニアを務める著者が、最大で1000人規模にもなるF1チームが、どのように勝利をめざすかを明らかにする。

 F1の勝敗を分けるのはドライバーの技術だけではない。それ以上にエンジニアによる「セッティング」が重要。セッティングとはレース用にマシンをベストな状態に調整することだ。

 ある優秀なF1ドライバーは、金曜日には、自分の好みのセッティングになるよう、エンジニアにとことん文句を言う。ところが土曜の朝には、一切注文をつけない。エンジニアを信頼して「これ以上良くならない」と割り切り、現在のマシンの状態に合わせて自分の限界を引き出す作業に切り替えるのだそうだ。

 こうしたやり取りが勝敗を分けるポイントとなるF1は「コミュニケーションのスポーツ」と言っても過言ではない。

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