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ライチョウ、今世紀末にも絶滅 北アルプス、温暖化の影響で

 北アルプスに生息する国の特別天然記念物のニホンライチョウが、地球温暖化の影響で今世紀末に絶滅する恐れがあると、長野県環境保全研究所などが発表した。餌となる高山植物や営巣場所となるハイマツの減少により、生息に適した環境が今世紀末までにほぼ消滅すると考えられるとしている。温暖化が生物の生息環境に深刻な影響を与えることが鮮明になった。

長野の研究所が調査

 ライチョウは1980年代に約3千羽が南北アルプスなどの高山帯に生息していたが、2000年代初頭には約1700羽に減少。同研究所はほかの機関と平成23年から8年かけて、北アのライチョウの実態を調査した。

 その結果、生息には(1)キツネやテンといった天敵から身を守り営巣できるハイマツ(2)雪渓に残る雪が解けた後に生える餌となる高山植物(3)風の当たる場所にあり餌となる高山植物-の3つがバランスよく存在することが必要だと分かった。

 その上で、現在のように化石燃料と自然エネルギーを併用しながら経済成長を重視した二酸化炭素(CO2)排出シナリオを基に、24パターンの気候モデルを組み合わせて北アの状況を予測。高山植物が激減し、ライチョウの生息域が今世紀末には現在の面積の0・4%になるとの見通しが明らかになった。

 ライチョウが生息できる高山帯は孤立していて逃げ場はない。今後は絶滅を食い止めるため北ア以外の生息域も調査し、環境省などに情報提供する予定だという。

環境省で保護活動

 一方、環境省では、南アルプスの北岳で平成27年からケージを用いて保護したり、捕食動物をわなで捕獲したりする保護活動を実施しており、個体数が37羽増えた。

 繁殖の補助にも力を入れる。絶滅したとされてきた中央アルプスでは昨年7月、半世紀ぶりに雌1羽が見つかった。今年6月、この雌の巣に他の個体の有精卵を運ぶ初の試みが成功し、7月に5羽の孵化(ふか)が確認された。

 富山県などの5施設では繁殖事業で約30羽が生まれた。ただ、毎年のようにひなが誕生するものの、ライチョウの1年生存率は20%程度。中央アで7月に孵化した5羽も、悪天候による衰弱か天敵による捕食などで全て死んだとみられる。

 環境省信越自然環境事務所の自然保護官、福田真さんは「環境省としてもライチョウの保護、繁殖事業に一層力を入れていく」と強調。今回の研究結果を踏まえ「私たちの生活が自然界にどう影響を及ぼすのかを考えることも重要だ」と話した。

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